住宅ローンを利用する際、複数の金融機関から借り入れるケースも珍しくありません。特に「住宅金融公庫(現在は住宅金融支援機構)」と、民間の住宅金融機関を併用している場合、抵当権の扱いが気になる方も多いはずです。本記事では、両方のローンに抵当権が設定されるのか、そしてその背景や注意点について解説します。
住宅金融公庫と住宅金融支援機構の違いとは
かつて存在した「住宅金融公庫」は、2007年に廃止され「住宅金融支援機構」へと移行しました。現在のフラット35などのローン商品は、この支援機構が提供しています。かつての住宅金融公庫ローンを利用していた方は、現在も支援機構に引き継がれた契約が残っている可能性があります。
一方で、「住宅金融」とは一般的に、銀行や信用金庫などの民間金融機関が提供する住宅ローンを指すことが多く、これとは別の借り入れになります。
複数ローン利用時の抵当権の基本的な考え方
通常、住宅ローンの借入れをする際には、その担保として物件に対し抵当権が設定されます。この抵当権は、借り入れ先ごとに設定され、返済が滞った際に債権者(金融機関)が競売などの法的手段を通じて担保物件から回収を行える仕組みです。
つまり、住宅金融支援機構からも、民間の住宅金融機関からも借りている場合、基本的にはそれぞれの借入先ごとに別個に抵当権が設定されます。ただし、融資額が少ない方のローンが「第二順位抵当権」となることがあり、優先順位に差が生じます。
実際に確認する方法
自分の不動産にどのような抵当権が設定されているかを確認するには、法務局で「登記簿謄本(登記事項証明書)」を取得する方法があります。これにより、設定されている金融機関名や順位、登記日などが明記されており、誰がどのような権利を持っているかが把握できます。
また、住宅ローン契約時に交付される契約書類や抵当権設定契約書にも詳細が記載されていますので、まずはそちらを確認してみるのも良いでしょう。
注意すべき点と対処方法
抵当権が複数設定されている場合、将来売却や借り換えを行う際に手続きが煩雑になることがあります。特に第二順位抵当権がついていると、新しい融資を受けにくくなることも。
そのため、住宅ローンの繰上げ返済を計画している方は、まずは第二順位の金融機関に対して完済し、抵当権を抹消することで、今後の柔軟な資産活用に繋げることができます。
まとめ:それぞれの借入に対して個別に抵当権が設定されるのが基本
住宅金融支援機構と民間住宅金融機関の両方から借り入れを行っている場合、それぞれに抵当権が設定されている可能性が高いです。自分の不動産がどのような状態かを把握するには、登記簿謄本の取得や契約書の確認が有効です。将来的な資産活用や売却を考えている方は、これらの情報を早めに整理しておくことをおすすめします。
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