会社を退職したり社会保険を喪失した場合、早急に国民健康保険への切り替え手続きが必要ですが、つい後回しになってしまうこともあります。本記事では、社会保険喪失後に国民健康保険への加入が遅れた場合の医療費負担について、わかりやすく解説します。
国民健康保険の加入はいつから有効になる?
国民健康保険(国保)は「社会保険を喪失した日」にさかのぼって加入することが原則です。たとえば7月21日に社会保険が喪失された場合、国保の加入日も7月21日からとなります。
つまり、たとえ8月4日に手続きをしても、保険証が発行されるまでは医療機関での支払いが一時的に全額自己負担になりますが、後から申請することで差額は還付されます。
二週間ルールは「加入の期限」ではない
「14日以内に手続きしなければいけない」とよく言われますが、これは自治体が定める「届出期限」であり、14日を過ぎたからといって国保に加入できないわけではありません。
ただし、期限を過ぎると「遅延届」扱いとなり、場合によっては医療費の還付手続きが煩雑になることもあります。
医療費の全額自己負担になる場合と対処方法
国保の手続き前に通院した場合、保険証がない状態なので、医療機関では10割負担を求められます。たとえば、3割負担なら3,000円の診療でも10,000円を一時的に支払うことになります。
この際は、診療明細書や領収書をしっかり保管しておき、保険証が交付されたあとに自治体へ「療養費払い戻し」の手続きを行いましょう。
実際のケースと注意点
たとえば、7月21日に退職したAさんが8月4日に国保に加入した場合でも、7月21日から保険は適用されます。もし8月1日に病院へかかって全額払ったとしても、保険証が届いた後に還付請求できます。
しかし、請求には数か月かかる場合があるため、金銭的に余裕がない場合は自治体に相談して「資格証明書」や「臨時の保険証」を発行してもらうのが得策です。
保険証が届くまでの対応策
- 自治体によってはその場で仮の保険証(資格証明書)を発行してもらえる
- 高額医療になる場合は事前に限度額認定証を発行しておくと負担軽減
- マイナンバーカードでのオンライン資格確認に対応している病院なら、保険証がなくても対応できる場合も
困ったときは、自治体の窓口や保険年金課に電話して相談すれば、丁寧に対応してもらえます。
まとめ:遅れても加入は可能、ただし準備は必要
社会保険を喪失してから2週間以上経過しても、国民健康保険には加入できます。医療費が一時的に全額負担になっても、保険証が届けば後から還付申請が可能です。
重要なのは、できるだけ早く手続きすることと、領収書などの証拠書類を保管しておくこと。手続きが面倒に感じても、安心して医療を受けるための一歩と捉えて、早めに対応しましょう。
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