老齢基礎年金を満額もらうには?厚生年金と国民年金の加入期間と経過的加算の仕組み

年金

老後の生活設計において年金の満額受給は多くの人の関心事です。特に「あと少しで満額」というケースでは、どのような対応をすればよいのか判断に迷うことも。本記事では、国民年金と厚生年金の加入実績がある方が、老齢基礎年金の満額(原則として40年分)を目指すために知っておくべきポイントを丁寧に解説します。

老齢基礎年金の満額受給の条件とは

老齢基礎年金(国民年金部分)を満額受給するには、原則として保険料納付済期間と免除期間を含む受給資格期間が480月(40年)必要です。

納付期間が不足している場合でも、免除や追納、任意加入などの方法で受給額を増やすことが可能です。1か月分の納付で、将来の年金額が年額約170円(2024年度)増加します。

厚生年金の加入期間も基礎年金にカウントされる

厚生年金に加入している期間も同時に国民年金(第2号被保険者)に加入しているとみなされるため、基礎年金の受給資格に含まれます。

例えば、20歳から60歳まで38年間(456月)厚生年金に加入していた方は、あと24月の加入で満額に届く計算となります。

経過的加算とは?満額に届かない人への救済措置

満額にわずかに届かない場合、「経過的加算」という仕組みによって、部分的に不足を補う制度があります。特に、厚生年金の加入歴がある人が老齢厚生年金を受け取る際、基礎年金部分が満額に達していないと経過的加算が加わります。

ただし、あくまで補完的な制度であり、満額の基礎年金を保障するものではないため、できれば不足月数を補う行動が推奨されます。

不足期間を補う具体的な方法

国民年金の加入期間が480月に満たない場合、以下のような対応が可能です。

  • 任意加入制度:60歳以降も最大65歳まで任意で国民年金に加入可能。満額を目指す人にとって有効。
  • 厚生年金付きアルバイト:短時間勤務でも厚生年金に加入できる条件を満たせば、国民年金カウントにもなります。

例:60歳から61歳まで厚生年金付きのアルバイトをすれば、残り24月のうち12月を追加できます。

免除期間の取り扱いと追納の可能性

全額免除期間も保険料納付済期間の2分の1としてカウントされるため、40年分に満たない場合は、過去10年以内の未納・免除期間を追納するという選択肢もあります。

追納をすれば、将来の受給額を増やすだけでなく、満額に近づけることも可能です。追納は税控除の対象にもなり節税メリットもあります。

まとめ:制度を理解して納得の年金受給を

老齢基礎年金の満額受給を目指すためには、自分の加入実績を正しく把握し、不足している期間をどのように補うか戦略的に考えることが大切です。

任意加入や厚生年金付きアルバイトを活用すれば、効率よく不足月数を補えます。経過的加算は一定の助けになりますが、可能な限り満額を目指すほうが将来的に安心です。

ねんきんネットや年金事務所に相談し、自身の状況に合った最適な方法を見つけましょう。

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