将来の年金受給額は、働いた期間や年収、加入していた年金制度によって大きく異なります。本記事では、20歳から50歳まで厚生年金に30年加入し、退職後60歳まで国民年金を10年支払うというモデルケースで、年収400万円だった場合の年金受給額をわかりやすく解説します。
試算の前提条件について
年金額の目安を算出するにあたって、以下の条件で計算を行います。
- 厚生年金加入期間:30年(20歳〜50歳)
- 平均年収:400万円
- 国民年金加入期間:10年(50歳〜60歳)
- 特別な加算や受給開始年齢の繰り下げ・繰り上げはなし
計算はあくまで概算であり、正確な金額は「ねんきんネット」や年金事務所での確認が必要です。
国民年金(基礎年金)の受給見込額
国民年金は、満額(40年納付)で年間約80万円(月約66,000円)受給できます。今回は10年分の納付なので、比例して。
80万円 × (10年 ÷ 40年) = 年額 約20万円
よって、基礎年金としての受給額は年間およそ20万円(月額 約16,000円)となります。
厚生年金部分の受給見込額
厚生年金は報酬比例部分が大きく影響します。平均年収400万円で30年間加入していた場合、以下のように算出されます。
報酬比例年金 = 平均年収 × 5.481 ÷ 1000 × 加入年数
400万円 × 5.481 ÷ 1000 × 30 = 約657,720円(年額)
よって、厚生年金部分では年額 約65万〜66万円が見込まれます(月額 約54,000円)。
合計の年金見込額と生活イメージ
上記を合計すると。
- 国民年金:約20万円
- 厚生年金:約65万円
- 合計:約85万円/年(月 約7万円)
年金だけで生活するにはやや心許ない金額ですが、持ち家がある、生活費を抑える努力ができる、副収入があるなどの条件がそろえば可能なラインとも言えます。
老後資金を補う方法と対策
年金の補完としては以下の方法があります。
- iDeCo(個人型確定拠出年金)での積立
- つみたてNISAなどの長期資産形成
- 退職金や企業年金の有無も要確認
また、60歳以降も働く意欲がある場合は、年金受給開始を65歳以降に繰り下げることで増額する選択肢もあります。
まとめ:将来のために今できる準備を
年金だけでは不安という声が多い中で、自身の加入履歴と年収から将来の受給額を把握することは重要です。今回のモデルケースでは、年額85万円前後が一つの目安となります。
ねんきん定期便や年金ネットを活用し、さらに具体的な金額を把握しておくと、老後の生活設計がしやすくなるでしょう。
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