年金額を少しでも増やす方法の一つとして「厚生年金への加入」があります。特に年収250万円前後のパート主婦の方で、将来の年金額に不安を抱えるケースは少なくありません。本記事では、50歳から厚生年金に加入した場合に受け取れる年金額の変化について、わかりやすく解説します。
厚生年金とは?国民年金との違い
日本の公的年金制度は、「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の2階建て構造になっています。国民年金は自営業者や専業主婦などが加入し、厚生年金は会社員や公務員などが加入対象となります。
厚生年金に加入すると、国民年金に加えて報酬比例で「上乗せ年金」が受け取れるのが最大のメリットです。
50歳から加入した場合のシミュレーション(年収250万円)
厚生年金の年金額は、「平均年収 × 加入年数 × 5.481 / 1,000」という計算式でおおまかに求めることができます。
- 平均年収:250万円
- 加入年数:15年(50歳~65歳)
この場合、報酬比例部分の年金額は次のようになります。
250万円 × 15年 × 5.481 / 1,000 ≒ 約205,538円(年額)
月額にすると、約17,100円の上乗せ年金になります。
すでに5年加入済みなら?合計20年のケース
もし過去に会社員として5年間厚生年金に加入していた場合、その分を合算できます。
- 平均年収:同じく250万円
- 加入年数:合計20年(5年+新たに15年)
この場合、年金額は。
250万円 × 20年 × 5.481 / 1,000 ≒ 約274,051円(年額)
月額では約22,800円の上乗せとなります。
15年 vs 20年、もらえる差額は?
この2つのシナリオを比較すると、
- 15年:月額 約17,100円
- 20年:月額 約22,800円
その差額は約5,700円/月。年間では約68,400円の差になります。仮に90歳まで生きるとすると、25年間で約171万円の違いが生じる可能性があります。
長寿社会の日本では、このような差は将来の生活の安定に大きく影響します。
厚生年金に加入する方法と注意点
現在パート勤務であっても、次のような条件を満たすと厚生年金に加入できます。
- 勤務先が従業員101人以上の会社(2024年以降、さらに対象拡大予定)
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月収88,000円以上(年収約106万円)
- 雇用期間が2ヶ月超見込み
- 学生でないこと
上記を満たせば、厚生年金加入対象となり、老後の年金増加につながります。
まとめ:50歳からでも遅くない!老後資金対策に厚生年金の活用を
今回のように、50歳からでも15年加入すれば、月1.7万円ほど年金を上乗せできる可能性があります。過去の5年と合わせて20年になれば、さらに恩恵は大きくなります。
現在の雇用状況を見直し、厚生年金への加入を検討することは、老後に備える非常に有効な手段です。少しでも多くの年金を受け取るため、早めの対策を考えてみてはいかがでしょうか。
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