会社勤めをしていた際に一時的に加入していた「厚生年金基金」について、最近になってねんきんネットなどで存在を知ったという方も少なくありません。加入期間が短くても、手続きをすれば受給できる可能性があり、見過ごすのはもったいない制度です。この記事では、厚生年金基金の基礎から、申請方法、生涯受給の有無、そしてわずかな加入でも受給できる金額の目安まで、わかりやすく解説します。
厚生年金基金とは?その位置づけと役割
厚生年金基金は、国の年金制度の「3階建て構造」のうちの3階部分にあたる企業年金制度です。1階は国民年金(基礎年金)、2階は厚生年金保険、そして3階が厚生年金基金を含む企業年金(確定給付企業年金、確定拠出年金など)です。
かつては多くの企業が厚生年金基金を採用していましたが、現在では多くの基金が解散しています。ただし、過去に加入していた人の記録や給付金は保全されており、適切な申請を行えば受給可能です。
厚生年金基金の給付を受けるには申請が必要
厚生年金基金から給付を受けるためには、原則として対象年齢(多くの場合60歳)に達した後に「請求手続き」が必要です。自動的に支給されることはほとんどなく、請求しなければ一生受け取れない可能性もあります。
基金ごとに必要書類や申請先が異なるため、加入していた基金がどこなのかを「ねんきんネット」や「マイナポータル」で確認し、該当の基金に連絡することが重要です。基金が解散している場合でも、企業年金連合会に記録が引き継がれている可能性があります。
厚生年金基金は生涯にわたって受け取れる?
一般的に、厚生年金基金の給付には「終身年金型」と「有期年金型」があります。終身年金型はその名の通り、生涯にわたって年金が支給されるもので、有期年金型は5年または10年間など、一定期間のみ支給される形式です。
給付形式は基金ごとに異なるため、実際にどちらのタイプかは該当基金へ問い合わせることで確認できます。ごく短期間の加入や基金の設計によっては、一時金として支給されるケースもあります。
わずか数ヶ月でも受給できる金額の目安
たった4ヶ月の加入で、しかも月給が20万円程度だった場合、受給額は非常に少額となることが予想されます。例えば、企業年金連合会の給付例によると、加入期間が6ヶ月未満であっても一時金(数千円〜数万円)として支給されるケースがあります。
仮に月給20万円で4ヶ月加入していた場合、掛金と利率、基金の給付設計にもよりますが、数千円〜1万円前後の一時金、または年間1,000円〜2,000円ほどの終身年金として受け取れる可能性があります。これはあくまで概算であり、正確な金額は該当基金または企業年金連合会で確認しましょう。
企業年金連合会に引き継がれている可能性も
厚生年金基金がすでに解散している場合でも、その給付権利が消滅するわけではありません。多くの場合、記録は「企業年金連合会」に引き継がれており、所定の手続きによって給付が受けられます。
企業年金連合会のサイトでは、本人確認書類を提出することで、加入記録と給付見込額を確認することが可能です。郵送やウェブ申請も対応していますので、該当する場合は確認をおすすめします。[参照]
まとめ:短期間の厚生年金基金加入でも放置せず確認を
厚生年金基金は申請をしないと受給できないケースが多く、放置しておくとそのまま受け取り損ねてしまう恐れがあります。わずか数ヶ月の加入であっても、確認して申請すれば受給できる可能性があるため、記録が判明した場合は積極的に調べてみましょう。
マイナポータルやねんきんネットで過去の記録を確認し、該当の基金または企業年金連合会に問い合わせることで、将来の年金受給に確実につなげることができます。
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