「資産700万円」という金額が32歳として多いのか少ないのか──SNSでは多くの人が投資成果や資産額を共有していますが、それが“現実の平均”とは限りません。この記事では、同世代の資産状況のデータや価値観の違いに触れつつ、「経験」と「将来」のバランスのとり方も解説します。
32歳の平均・中央値の金融資産額は?
金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯)」によれば、30代の平均金融資産は約679万円、中央値は50万円〜200万円前後にとどまります。
つまり、金融資産が700万円ある32歳は、平均をわずかに上回っており、中央値からは大きく上回っているため、統計的には「かなり貯めている側」と言えます。
SNSで見る“多すぎる例”はバイアスに注意
X(旧Twitter)やYouTubeなどで目にする「30代で1,000万達成」「FIREしました!」といった投稿は、ごく一部の成果を誇る例です。
発信者の属性は、高年収層や独身、生活費を極端に削っているなど、平均的な家庭とは異なる背景があることも多く、「比較対象としてはフェアでない」ことに留意が必要です。
投資を含む総資産で700万円なら立派な水準
貯金だけでなく、投資信託や株式などのリスク資産を含めて700万円あるというのは、資産運用の意識が高く、金融リテラシーがある証拠でもあります。
加えて、住宅ローンがあっても住まいの価値があれば「実質的な純資産」はもっと大きいとも言えるでしょう。
若いうちの経験にお金を使う価値
お金を貯めることはもちろん大事ですが、30代前半は、人生の選択肢を広げる「自己投資」「経験投資」にも価値があります。
たとえば、旅行、資格取得、副業チャレンジ、趣味の深掘り、人間関係づくりなど。資産形成の土台ができているなら、バランスをとりながら人生を豊かにする使い方も検討できます。
将来設計から逆算した資産の使い方
今後のライフイベント(結婚、出産、教育費、老後など)をざっくりイメージした上で、「必要資金の仮見積もり」をしておけば、残りの資金をより安心して経験や趣味に充てることができます。
まとめ:700万円は立派な資産。比較より目的を見つめよう
32歳で金融資産700万円というのは、平均よりも上、中央値よりはるかに上という水準です。SNSで見る他人の成果に圧倒される必要はありません。
その資産は、これまでの節約・投資の成果であり、これからの選択肢を広げてくれる「武器」でもあります。将来の安心と、いま大切にしたい経験のバランスを考えて、自分にとって納得のいくお金の使い方を選びましょう。
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