銀行にお金を預けると「利息」がついて、お金が少しずつ増えていきます。しかし、なぜ銀行は人からお金を預かって、さらに利息まで支払っても損をしないのでしょうか?この記事では、銀行の仕組みとお金の流れについて、できるだけシンプルにわかりやすく解説します。
銀行のビジネスモデルは「お金の貸し借り」
銀行の収益の多くは「人にお金を貸して利息をもらうこと」です。あなたが預けたお金は、銀行の金庫に眠っているわけではなく、他の誰かへのローンや企業への融資に使われています。
例えば、あなたが銀行に100万円を預けたとします。銀行はその100万円を使って、住宅ローンや事業資金などとして他の人に貸し出し、年利3%などで利息を受け取ります。あなたには年0.01%などの低い利息を払う一方で、貸し出しで得た利息の差額が銀行の利益になります。
預金者に払う利息は「経費の一部」
銀行が預金者に支払う利息は、あくまでコストです。しかしそれ以上の利益を貸し出しで得られれば、銀行としては全体でプラスになります。
例えば、100人から1人あたり100万円、合計1億円を年0.01%で預かり、企業にそのお金を年1.5%で貸し出せば、年間150万円の利息収入が得られます。預金者に支払う利息は合計で10万円程度なので、差額の140万円が利益となります。
銀行はリスクを分散して運用している
もちろん、お金を貸すことにはリスクもあります。返してもらえないこともありますし、金利が変動することもあります。銀行はこれらのリスクを想定したうえで、いろいろな種類の融資先や金融商品にお金を分散して運用しています。
また、日銀(日本銀行)にも預金の一部を預けたり、国債などの安定した金融商品を購入することで、安全性を確保しつつ利益を出す工夫もしています。
どうして銀行は金利を変えるの?
金利の変動は主に「日銀の政策金利」によって決まります。景気が良くなると金利は上がりやすくなり、悪くなると下がる傾向があります。銀行はこの変動に応じて、貸出金利や預金金利を調整します。
たとえば、2020年代は長らく超低金利時代だったため、預金の金利はほとんどつかない状態でしたが、2024年以降の政策変更により、少しずつ上昇する動きも出ています。
銀行のもうひとつの収益源:手数料
利息以外にも、銀行は様々な手数料で利益を上げています。ATM手数料、振込手数料、外貨両替手数料、投資信託や保険の販売手数料などが挙げられます。
特に最近は、個人の預金利息では利益が出にくいため、手数料収入が重要視されるようになっています。
まとめ|銀行は「お金を回して利益を出す」プロ
銀行はあなたのお金をただ預かっているのではなく、それをもとに「貸し出し」「運用」「サービス提供」を行うことで、利息や手数料といった収益を得ています。つまり、銀行が損しないのは「預かったお金をうまく増やす仕組み」がしっかりあるからなのです。
あなたの貯金は、世の中を回す大きな流れの一部。銀行という仕組みを知ることで、お金の見方も少し変わるかもしれません。
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