パート勤務で年間130万円以内に収めることで、配偶者の社会保険の扶養に入っている方は多いと思います。ただし、毎月の収入が一定でない場合、「一時的に月収が多くなっても大丈夫なのか?」と不安になる方も少なくありません。この記事では、月収が変動しても扶養のままでいられるのか、どのようなルールがあるのかを具体例を交えて解説します。
社会保険の扶養判定における「130万円の壁」とは
配偶者の社会保険に扶養として入れる年収の上限は「130万円未満(年収ベース)」が原則です。これを超えると、自分で健康保険・厚生年金に加入しなければならなくなります。
ここでいう年収130万円は「見込み年収」であり、直近の収入をもとに今後の年間収入を推計した額で判定されるのがポイントです。
月収が130万円÷12(約10.8万円)を一時的に超えてもOK?
たとえば、以下のようなケースを考えてみましょう。
- 4ヶ月間 月収11万円 → 合計44万円
- 2ヶ月間 月収8万円 → 合計16万円
- その後6ヶ月間 月収10万円 → 合計60万円
- 年間合計 → 120万円
この場合、年間130万円以内に収まっているため、基本的には扶養のままで問題ありません。ただし、「今後も11万円以上で働き続ける」と見なされると扶養を外れる可能性があります。
社会保険の扶養判定は「実績」ではなく「見込み」
扶養判定では、実際の年収ではなく、これから1年間の見込み収入が基準になります。これは被扶養者届の審査時などに確認されるポイントです。
つまり、一時的に月収が上がっても、その後に収入が減って年収130万円未満になる見込みがあれば、扶養のままでいられるケースもあります。
ただし、高い月収が長期間続くと、見込み年収が130万円を超えていると判断される可能性があるため注意が必要です。
会社の規模や加入制度によって異なるケースも
従業員501人以上の企業に勤めている場合、たとえ年収が130万円未満であっても、勤務時間や勤務日数によって「社会保険の加入義務(106万円の壁)」が発生する場合もあります。
以下の5条件をすべて満たすと社会保険加入が必要です。
- 週の労働時間が20時間以上
- 月収88,000円以上
- 雇用期間が2ヶ月を超える見込み
- 学生でない
- 従業員501人以上の企業(※一部除外あり)
この「106万円の壁」は、130万円とは別に存在する制度なので、自分の働き方と会社の規模に応じた確認が必要です。
年間収入管理のコツとおすすめの対応策
扶養内で働き続けるには、以下のような対策が有効です。
- 月ごとの給与を記録し、年間見込みを常に把握する
- 収入が増える月(年末や繁忙期)はあらかじめ調整しておく
- 雇用契約書やシフト表などを保管し、収入見込みの根拠資料を持っておく
- 疑問がある場合は配偶者の勤務先の健保組合に事前相談
実際に見込み年収が130万円をわずかに超える場合でも、健保組合によっては柔軟に対応してくれるケースもあります。
まとめ:年間130万円以内を守れば原則扶養内。ただし収入の推移にも注意
扶養内パートであっても、月収が一時的に増えても年間130万円以内であれば、基本的には扶養のままで問題ありません。ただし、見込み収入が130万円を超えていると判断された場合は、扶養を外れる可能性があるため注意が必要です。
また、企業規模によっては106万円の壁が適用される場合もあるため、自身の勤務先や労働条件を正しく理解し、こまめに収入をチェックすることが重要です。困ったときは早めに会社や健保組合に相談するのが安心です。
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