雇用保険(失業手当)受給中の就労について、週20時間未満のアルバイトをしながら基本手当を受け取る方法にはいくつかの注意点があります。特に「1日4時間未満」の短時間就労を選んだ場合、日々の収入と失業手当の支給額のバランスを理解することが大切です。
基本手当日額と「内職・手伝い」の扱い
雇用保険において、1日4時間未満の就労は「就職」扱いとはならず、「内職・手伝い」として処理されます。この場合、働いた日も基本手当は支給対象日となり得ます。
ただし、以下の式で減額される可能性があるため注意が必要です。
控除後手当=基本手当日額 −(収入 − 控除額1,331円)
上記の計算式を用いることで、支給される額が計算できます。
具体的な計算例:収入と支給の関係
【条件】
・離職時賃金日額:18,500円
・基本手当日額:7,845円
・1日のアルバイト収入:5,000円(4時間未満)
この場合、
・80%の上限(A):18,500 × 80% = 14,800円
・B:5,000円 + 7,845円 − 1,331円 = 11,514円
→ Bの11,514円はAの14,800円を下回るため、基本手当日額は減額されず、全額支給となります。
週20時間未満のバイトで得するパターン
就労時間が週20時間未満かつ1日4時間未満の場合は、「就職」には該当しないため、基本手当支給期間の延長(不支給日スライド)は行われません。そのため、支給日数を減らすことなくバイト収入を得られるメリットがあります。
これにより、月に数日×短時間のバイトを組み合わせることで、基本手当+副収入のダブル収入が可能となります。
「週2で日給1万円」バイトをする場合との比較
仮に週2回、1日8時間労働・日給10,000円のバイトをした場合、それは「就職・就労」扱いとなる可能性が高く、該当日が「不支給日」となります。
この場合、失業手当の給付日数は繰り下げられる形で後ろ倒しになりますが、給付総額は変わらず、受給期間が延びる形になります。
ただし、所得制限によって健康保険・住民税などが変わる可能性があるため、社会保険の加入要件や収入の年額にも注意が必要です。
どちらが賢い?戦略的な選択の考え方
- 短時間就労(1日4時間未満):失業手当を満額もらいながら副収入。実質の手取りは増えるが、体力的には働く日数が多くなる。
- 週2日・日給制バイト:不支給日が発生するが、日給が高ければトータル収入は上がる可能性も。職場慣れや就職の足がかりにもなる。
目先の収入だけでなく、「就職活動との両立」や「体調・生活リズム」にも着目して選択するのが賢明です。
まとめ
雇用保険の基本手当受給中でも、週20時間未満かつ1日4時間未満のバイトであれば支給を受けながら働くことが可能です。1日あたりの収入が一定額を超えない範囲なら基本手当の全額支給も受けられるため、戦略的な働き方が可能です。
一方で、就職扱いとなるバイトを選ぶと不支給日扱いにはなるものの、収入は増え、支給日数も繰り越される形で活かせます。ご自身の生活状況や就活計画に合わせて最適な方法を選びましょう。
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