失業後に再就職した場合に受け取れる給付として「再就職手当」と「高年齢再就職給付金」がありますが、どちらを選ぶべきか迷う方は多いでしょう。どちらが金銭的に有利かは状況によって変わります。この記事では、それぞれの制度の特徴や条件、メリット・デメリットをわかりやすく比較し、どのようなケースでどちらが得かを詳しく解説します。
再就職手当とは?早期再就職を後押しする制度
再就職手当は、雇用保険の基本手当の受給資格がある方が、所定の条件を満たして早期に再就職した場合に支給される一時金です。支給額は「残っている基本手当日数の60%〜70%」となり、早く再就職するほど多くもらえる仕組みです。
支給要件の一例:
- 受給資格決定日から7日間の待機期間終了後に再就職
- 1年以上継続して雇用される見込み
- 基本手当の支給残日数が3分の1以上あること
高年齢再就職給付金とは?60歳以降の雇用継続支援
高年齢再就職給付金は、60歳以上65歳未満で再就職した方を対象とし、賃金が60歳時点の75%未満に下がった場合、その差額の一部を補填してくれる制度です。支給は最長2年間、毎月の賃金額に応じて金額が決まります。
たとえば、60歳到達時の賃金が30万円で再就職後が20万円の場合、最大で賃金の15%程度(月3万円前後)が補填されることになります。
どちらが得か?金額・支給期間で比較
再就職手当は一時金としてまとまった金額が支給されます。短期的に資金が必要な場合や、当面の生活費が心配な方には有利です。一方、高年齢再就職給付金は月々の収入補填型で、長く働く前提がある場合に向いています。
総額で比較すると、就職時期・雇用形態・賃金額によって大きく差が出ます。早期再就職で手当の満額支給を受けた場合は再就職手当の方が得ですが、賃金が大きく下がる職場への就職で長く働く場合は、高年齢再就職給付金の方が有利になる可能性があります。
併給はできない?制度選択のポイント
両者の併給はできず、基本的にはどちらか一方のみの受給となります。したがって、再就職時に雇用保険窓口でどちらかの制度に該当するかを確認し、自分のライフプランや収支状況に応じて最適な選択をすることが大切です。
また、就職先がフルタイムかパートタイムか、雇用期間が定められているかどうかによっても適用可否が変わるため、ハローワークでの相談をおすすめします。
具体例で考える受給額の違い
例1:58歳で離職し、60歳で再就職。基本手当の残日数が150日。再就職手当の支給額が約70万円。
例2:60歳で離職し、月収が30万円から20万円にダウンして再就職。高年齢再就職給付金が月3万円支給×24ヶ月で合計約72万円。
このように、総額では似たような水準になるケースもあり、「まとまったお金が欲しいか」「継続的な補填が良いか」で判断するのが実務的です。
まとめ:自分のライフスタイルに合った給付を選ぼう
再就職手当と高年齢再就職給付金は、それぞれ異なるニーズに応える制度です。再就職のタイミングや雇用形態、給与水準によってどちらが得になるかは変わります。
重要なのは、自身の今後の働き方や生活設計に応じて適切な制度を選ぶことです。迷った場合はハローワークで詳細なシミュレーションを依頼することをおすすめします。
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