うつ病などの精神疾患で休職を繰り返した場合、傷病手当金が再度支給されるかどうかは多くの方にとって大きな関心事です。特に一度復職をはさんだケースでは、その取り扱いが複雑になります。この記事では、うつ病による休職における傷病手当金の支給要件や再申請の可否、同一傷病とみなされるかどうかなど、実例とともに詳しく解説します。
傷病手当金の基本的な支給期間と条件
傷病手当金は、被保険者が業務外の病気やけがにより就労できない場合、最長で「支給開始日から1年6ヶ月間」支給されます。これは連続した期間ではなく、実際に働けなかった期間を積算する形です。
したがって、途中で一時的に回復し復職した場合でも、支給期間としてはトータルで1年6ヶ月まで認められます。
「同一傷病」か「新たな傷病」かがカギ
再度休職した場合に傷病手当金を新たに受け取れるかどうかは、その病気が「同一傷病」か「別傷病」とみなされるかにかかっています。
うつ病のような再発性のある病気の場合でも、一定期間健康状態が回復し、通常の労働を行っていた実績があり、かつ改めて初診を受けている場合には「別傷病」として新たな支給が認められることがあります。
復職後の期間と再発との関係
復職してからどの程度働いていたかも重要です。たとえば、1ヶ月程度で再び休職した場合は、同一傷病と見なされやすく、継続支給の扱いになります。一方で、半年以上継続的に就労していた場合は、新たな事由と見なされる可能性が高まります。
今回のように、復職後1年以上(例:2022年6月~2023年1月)勤務していれば、再申請の根拠があると言えるでしょう。
再申請にあたっての具体的なポイント
- 再発でも医師が明確に「新たな初診日」として診断したか
- 就労不能の診断書があるか
- 支給申請書に、前回との病状の違いや再発経緯を明確に記載しているか
上記の点を押さえ、被保険者側・医療機関・事業主が一致した内容で申請書を提出することで、支給される可能性が高まります。
制度上の注意点と相談先
ただし、傷病手当金の判断は健康保険組合や協会けんぽの裁量に大きく依存します。判断が難しい場合は、協会けんぽや所属の健保組合、または社労士などの専門家に相談することをおすすめします。
特にうつ病のようなメンタル系疾患は申請内容の書き方次第で結果が左右されるケースもあるため、可能であれば第三者の助言を受けながら申請書を整えるとよいでしょう。
まとめ:再発でも条件次第で傷病手当金は再び受け取れる
うつ病の再発による休職でも、復職期間が一定以上あり、医師の判断や初診日が明確に再設定されていれば、同じ病名であっても新たな傷病として傷病手当金を再度申請できる可能性があります。
不安な場合は早めに保険者や専門家に確認し、必要書類を整えて慎重に進めることが大切です。
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