「ほとんどの人は貯金が100万円以上あるのだろうか?」という疑問は、年代や収入によって感じ方が大きく異なります。この記事では、実際の統計データをもとに、100万円の貯蓄を持つ人がどれくらいいるのか、そして貯金額の背景や傾向について解説します。
日本人の平均貯蓄額と中央値
総務省の「家計調査」や金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、2023年時点の日本の平均貯蓄額(単身世帯)は約730万円という結果が出ています。
しかし、注目すべきは「中央値」です。平均は一部の高額貯蓄者に引き上げられる傾向があるため、実際の多くの人の水準を知るには中央値がより参考になります。単身世帯の貯蓄中央値は、約50万~100万円台がボリュームゾーンとなっており、100万円を下回る人も少なくありません。
年代別の貯金額の傾向
年代別で見ると、20代の多くは貯蓄が少なく、貯金ゼロという人も一定数存在します。30代以降になると収入増に伴って貯蓄額も増加傾向になりますが、それでも100万円未満の層が一定数存在します。
たとえば、2023年の調査では30代単身世帯の約40%が貯蓄100万円未満という結果もあり、決して少数派ではありません。
「100万円の壁」は意外と高い
生活費や物価の上昇、非正規雇用の増加なども影響し、思うように貯金ができないという人が増えています。特に一人暮らしで都心に住んでいる場合、毎月の支出が大きく、100万円以上の貯蓄を築くには相応の節制や収入アップが必要になります。
例として、都内で月収22万円、家賃8万円、その他固定費に6万円かかる場合、貯金に回せるのは多くて3〜4万円程度。これだと100万円貯めるのに約2年かかります。
貯金100万円以上の人が実践していること
- 先取り貯金:給料日直後に自動的に定期預金や別口座に移す方法
- 支出の見直し:サブスクや保険料、外食費を見直し節約
- 副業や投資:副収入の確保や少額からの資産運用
これらを地道に積み重ねていくことが、貯金100万円以上への近道になります。
「人と比べない」ことも大切
ネットやSNS上では「貯金300万円達成」「資産1,000万円超え」といった投稿が目に入るかもしれませんが、それが全体の平均像とは限りません。
大切なのは「自分の収入や生活スタイルに合った貯金」を目指すこと。たとえ少額でも、毎月コツコツと積み重ねていくことで、将来的には大きな安心につながります。
まとめ:貯金100万円は少数派ではないが、全員が達成しているわけではない
貯金100万円以上ある人は決して少なくありませんが、「ほとんどの人が持っている」とは言い切れないのが実情です。特に若年層では貯金ゼロという人も多く、家庭環境や収入、支出の差が結果に表れます。
重要なのは、自分のペースで無理なく、少しずつ資産形成を進めていくこと。まずは数万円からでも良いので、貯金の習慣をつけることが第一歩です。
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