定期預金や国債での資産運用から、新NISA(少額投資非課税制度)へ切り替えるべきか悩む方は少なくありません。特に障害者手帳をお持ちで、マル優(少額貯蓄非課税制度)を利用している方にとって、NISAへの乗り換えは慎重に判断すべきテーマです。本記事では、60代での資産運用における選択肢として、国債・社債・NISAの特徴と適正をわかりやすく解説します。
マル優制度と新NISAの違いとは
マル優(少額貯蓄非課税制度)は障害者・遺族年金受給者などが、一定の条件下で利子が非課税になる制度です。対象は預貯金・国債・地方債などで、元本350万円までの利子が非課税になります。
一方、新NISAは2024年から開始された制度で、年間360万円・生涯1,800万円までの投資が非課税になります。株式や投資信託など幅広い金融商品が対象で、将来の資産形成に向けた制度です。
60代からでもNISAは活用できる?
「10〜15年運用できるならNISAを活用すべき」というのは、60代にもあてはまります。特に、国債で年利0.3〜0.5%程度の利回りしか得られない時代に、インフレ対策や資産の目減り防止を意識するなら、NISAの方が魅力的です。
新NISAでは、米国株式(S&P500)や全世界株式(オルカン)といった、長期で成長が期待できる投資信託を選ぶことで、リスクを抑えながら資産を育てることが可能です。
SBI証券での新NISAの始め方
障害者の方でもSBI証券の口座開設は可能で、NISA口座も簡単に開設できます。本人確認書類として障害者手帳も利用できる場合があります。開設後は「成長投資枠」や「つみたて投資枠」から商品を選びます。
例として、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)や、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドなどが人気です。
非課税の優先順位:マル優とNISAの使い分け
マル優枠(350万円)は定期預金や国債などの安定資産に、新NISAは投資信託などの成長資産に活用するのがおすすめです。両方を併用することで、安定性と収益性のバランスが取れます。
仮に資産が1,000万円あるなら、350万円はマル優で定期や国債に、残りのうち360万円はNISAで投資信託、そして数百万円は生活予備費として普通預金に残す、という配分が現実的です。
注意点:障害者年金と投資の関係
障害者年金の受給において、NISA投資で得た収益は基本的に「非課税」なので所得制限には影響しません。ただし、一部自治体の福祉制度などでは資産状況が問われる場合があるため、確認が必要です。
また、投資には元本割れのリスクもあるため、余剰資金で運用することが原則です。生活費や緊急費用は預金で確保し、投資はあくまで余裕資金で行いましょう。
まとめ:非課税制度を使い分けて安心・効率的な運用を
障害者手帳をお持ちの方でも、マル優とNISAを正しく併用すれば、非課税の恩恵を最大限に受けながら資産運用が可能です。
- 安定重視→マル優で国債や定期預金
- 成長重視→NISAで投資信託(S&P500やオルカンなど)
- 資金に余裕があれば分散して活用
60代からでも遅くありません。制度を知り、自分に合った運用方法を見つけましょう。
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