アルバイトやパートで高収入を得ている方が、シフト減少やWワークを考え始めたときに気になるのが「社会保険料の負担」。とくに月収が下がるのに保険料はそのままなのか、Wワーク先でも保険料がかかるのか、といった疑問は多くの方が直面します。本記事では、社会保険料の仕組みとWワーク時の対応について、わかりやすく解説します。
社会保険料は「今の収入」ではなく「過去の収入」で決まる
社会保険料(健康保険・厚生年金)は、毎年4月〜6月の給与から平均月収(標準報酬月額)を算出して、9月から翌年8月までの保険料が決定されます。これを「定時決定(算定基礎届)」と呼びます。
つまり、たとえ7月以降に収入が大きく減っても、その年の保険料は原則として変わらず、次の年の6月分まで続きます。
月収が大きく変動した場合は「月変」で対応可能
ただし、月収が急激に下がった場合には「随時改定(月額変更届)」という制度があり、社会保険料の見直しが可能です。
- 3ヶ月連続で2等級以上の差がある
- 固定的賃金(時給や基本給など)が変動
この条件に当てはまれば、勤務先の担当者が手続きをすることで、早期に保険料が下がる可能性があります。自ら申し出ることが大切です。
Wワーク先での社会保険加入はどうなる?
社会保険は原則として「1社での加入」が基本です。複数社で要件を満たしても、最初に加入した会社(または主たる勤務先)でのみ加入し、他の勤務先では加入しません。以下の条件に注意しましょう。
- 1社で週20時間以上かつ月収8.8万円以上
- 勤務期間が2ヶ月を超える見込み
- 学生でない
もしWワーク先でのみ要件を満たす場合は、そちらで保険加入となる可能性もありますが、両社から二重に保険料が引かれることは原則ありません。
社会保険料の目安と金額感
保険料の額は地域や保険組合ごとに異なりますが、以下は東京都協会けんぽと厚生年金の例です。
月収(標準報酬) | 健康保険 | 厚生年金 | 合計 |
---|---|---|---|
180,000円 | 約9,270円 | 約16,470円 | 約25,740円 |
380,000円 | 約19,560円 | 約34,780円 | 約54,340円 |
実際の控除額は給与明細などで確認してください。月18万円であれば、約25,000円前後に減る可能性があります(ただし前述の通り、タイミングによっては減額反映に時間がかかることも)。
Wワークするなら「報酬のバランス」に注意
もしWワーク先でも社会保険に加入する必要がある場合(例:週30時間以上勤務など)、加入先を1社にまとめる「届出」を行えば、複数の給与を合算して保険料を計算することになります。
ただしこのケースは特殊なので、Wワーク予定の双方の会社に事前に相談し、加入・非加入や手続きの有無を明確にしておきましょう。
まとめ|「保険料そのまま」は一時的。事前相談と確認を忘れずに
収入が減ったからといって、すぐに社会保険料が下がるわけではありませんが、制度上は見直しが可能です。また、Wワークでも原則として1社でのみ保険料が発生します。事前に勤務先の労務・人事部に相談することで、余計な控除を避けられる可能性が高まります。
社会保険料=自分の将来の保障でもあるため、理解を深めて賢く対応しましょう。
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