新車購入や車の買い替えの際、既存の自動車保険を新しい車に切り替える「車両入替」は欠かせない手続きです。しかし、代理店や保険会社による入力ミスや手続き漏れにより、売却済みの旧車が契約上残り続けてしまうトラブルも少なくありません。本記事では、自動車保険の切替における手続きミスの実態と、そのまま放置された場合のリスクについて詳しく解説します。
車両入替とは?どんなときに必要なのか
車両入替とは、自動車保険契約において対象車両を別の車へ変更する手続きのことです。主に以下のケースで必要となります。
- 車を買い替えたとき
- 複数台所有していて保険対象を変更したいとき
- リース車から自家用車に乗り換えたとき
一般的には、納車日から14日以内に届け出れば補償を継続できるよう配慮された制度もありますが、それを過ぎた場合には無保険状態となるリスクが高まります。
代理店による手続きミスは本当にあるのか
結論から言えば、保険代理店による手続きミスは実際に起こり得る事案です。とくに以下のような原因が背景にあります。
- 書類の提出ミスや確認不足
- システムへの登録漏れ
- 担当者の認識不足や引継ぎミス
代理店側も人間ですので、完璧な対応が保証されているわけではありません。よって、最終確認を契約者自身が行うことが重要です。
車両入替がされていないまま事故に遭ったらどうなる?
車両入替が完了していない状態で新しい車に乗り、事故を起こした場合、保険会社は基本的に「補償対象外」と判断する可能性があります。
ただし、納車後14日以内に事故が発生した場合は「車両入替の猶予期間」として補償されるケースもあります。しかし、8ヶ月も入替未手続きの状態が続いていた場合、契約上の補償は旧車のみに限定されるため、新車は無保険状態とみなされます。
トラブルを未然に防ぐためのチェックポイント
こうしたトラブルを防ぐには、以下のような対策を講じることが重要です。
- 納車日当日か遅くとも数日以内に保険会社へ連絡
- 証券番号や車両情報を確認し、変更後の契約書類を必ず受け取る
- Webで保険契約状況を確認できる場合はログインして確認する
- 代理店任せにせず、自分でも記録や証拠を保管しておく
実際に「任せていたのに手続きされていなかった」という事例は複数報告されているため、契約者自身の関与が何より重要です。
万が一に備えた補償・保険の活用
自動車保険の一部商品では、「車両入替の失念」に備えた制度が用意されているものもあります。たとえば、
- 一般車両保険での「新車購入特約」
- 契約時に設定できる「臨時代替車補償」
また、トラブルが起きた際は、損保ADRセンターなどの第三者機関への相談も視野に入れるとよいでしょう。[参照:日本損害保険協会 そんぽADRセンター]
まとめ|保険手続きは「任せきり」にせずダブルチェックを
車両入替の手続きを代理店に任せたものの、実際には旧車のまま放置されていたケースは決して珍しくありません。万が一その間に事故が起これば、補償を受けられない可能性も高く、大きな損失を被る恐れがあります。
保険に関しては、「信頼+確認」が鉄則です。自分の身を守るためにも、任せるだけでなく、書類やステータスのダブルチェックを怠らないようにしましょう。
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