これまで当たり前に使われてきた「紙の保険証」ですが、2024年を境に大きな制度変更が進んでいます。とくに国民健康保険(国保)に加入している自営業者の方々にとっては、「紙の保険証は本当に使えなくなるの?」「マイナンバーカードがないとどうなる?」といった疑問や不安も多いでしょう。この記事では、紙の保険証廃止の背景やスケジュール、自営業者への影響などをわかりやすく解説します。
紙の保険証はいつまで使えるの?
政府は2024年12月2日に、現行の紙の健康保険証を廃止し、原則として「マイナ保険証(マイナンバーカード一体型)」に一本化する方針を発表しています。つまり、2024年12月1日までは紙の保険証が使えますが、それ以降はマイナ保険証に切り替わる予定です。
ただし、猶予措置として最大で2025年末までは「資格確認書」という代替書類を交付し、マイナンバーカードがない人でも医療機関を受診できる仕組みも整備されます。
なぜ紙の保険証が廃止されるのか?
背景には「医療DX(デジタルトランスフォーメーション)」の推進があります。マイナ保険証を使うことで、医療機関での保険確認の手間が減り、過去の診療・投薬履歴が確認できるなどの利点があります。
また、国としては保険資格の不正利用や記載ミス、転居時の届出漏れといったトラブルを減らす目的もあり、行政手続きの簡素化と医療の効率化が狙いとされています。
自営業・国保加入者は何を準備すればよい?
国保に加入している自営業者がすべきことは、まず「マイナンバーカードを取得すること」です。その上で、マイナポータルや役所の窓口などで「健康保険証として利用する」登録を行う必要があります。
まだマイナンバーカードを持っていない方は、取得には数週間程度かかることがあるため、余裕を持って準備するのがベストです。登録が完了すると、マイナ保険証として使えるようになります。
マイナンバーカードがないとどうなる?資格確認書とは?
何らかの理由でマイナンバーカードを取得しない、あるいは利用登録をしない場合でも、「資格確認書」という書類を役所で申請すれば医療機関の受診は可能です。ただし、この書類は毎年更新が必要であり、紙の保険証のような利便性はありません。
また、一部の医療機関ではマイナ保険証使用者の方が医療費の自己負担が軽くなることもあるため、長期的にはマイナ保険証のほうが有利になる可能性もあります。
実例:国保加入のフリーランスAさんのケース
40代のフリーランスAさんは、2023年にマイナンバーカードを取得し、健康保険証としての利用登録を済ませました。2024年以降、紙の保険証が使えなくなると聞いて早めに対応した結果、病院での受付もスムーズになり、薬剤情報の一括管理もできて便利さを実感しているとのことです。
一方で、Bさんはカードの取得を後回しにしていたため、年末に慌てて手続きすることになり、市役所が混雑して時間がかかってしまったという体験談もあります。
まとめ:早めの準備で安心!紙の保険証廃止への対応は計画的に
紙の保険証は2024年末で原則廃止となりますが、すぐに医療を受けられなくなるわけではありません。ただし、マイナ保険証の導入に向けては、早めのマイナンバーカード取得と登録が重要です。
自営業やフリーランスの方も例外ではなく、今後の医療制度の変化に対応するためには、制度を正しく理解し、計画的に行動することが求められます。
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