キャッシュレス決済が普及する中で、ポイント支払いや電子マネーのチャージを通じた取引が増えています。本記事では、ポイントを使った経費処理について、確定申告上の考え方を解説します。
ポイント支払いは経費として認められるのか?
原則として、事業上の支出が現実に金銭的価値を持ち、それが業務遂行上必要であることが証明できれば、たとえポイントで支払ったものであっても経費として計上できます。
例えば、事業用のガソリン代を「楽天ポイント」や「dポイント」で支払った場合でも、その取得方法と利用目的が明確であれば、帳簿上の経費処理は可能です。
ポイント利用とチャージのタイミングの関係
今回のように、30日にポイントで支払いを行い、翌31日に1000円をチャージしたケースでは、次のような点が重要です。
- 支払い時(30日)にポイントが既に付与・保有されていたか
- そのポイントが事業に関連する方法で取得されたか
- チャージ(31日)は支払済取引とは別の行為である
このため、支払日にチャージがまだ行われていなかったとしても、支払いが成立していれば、30日のガソリン代はその時点での支出として経費計上が可能です。
チャージ方式による違いに注意
プリペイド型(前払い型)の電子マネーでは、チャージ時に「仮払金」として記帳し、実際の利用時に「消耗品費」「燃料費」などに振替えるのが基本です。
一方で、ポイント支払いは通常の通貨とは異なる扱いとなり、法人税や消費税の対象外となるケースがあるため、仕訳上の注意が必要です。
具体例:ポイント利用と経費処理
【例1】3月30日に1,000円分のTポイントでガソリンを購入。翌31日に電子マネーに1,000円をチャージ。
→ 支払いが完了しており、レシートや利用明細などで確認が取れるなら、3月分の経費として計上可能。
【例2】3月30日に残高がなく、3月31日のチャージ後にガソリンを購入。
→ この場合、支払い日が3月31日となるため、経費計上は31日付となります。
ポイントの取得方法による経費性の判断
業務上の買い物で得たポイントを業務に再利用する場合、その消費分は事業経費として認められる可能性が高いです。
一方で、プライベート利用で得たポイントを事業に使った場合は、経費性を否認されるリスクがあります。事業と私用の線引きは帳簿で明確にする必要があります。
まとめ
ポイント支払いでの経費処理は、支払い日とチャージ日、ポイントの取得経緯、支払いの証拠(レシート等)を明確にしておけば、問題なく認められるケースが多いです。
今回のように、支払いが30日、チャージが31日というケースでは、30日の時点で決済が完了していれば、その日付で経費計上が可能です。
経費性を否認されないよう、帳簿への正確な記録と、ポイントの利用記録・領収書の保管が重要です。
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