変額定期保険と変額養老保険の違いは?事業保険としてのメリットと損金・積立・利率比較

保険

企業が導入する事業保険の中でも、リスクヘッジと資産形成を両立したい場合に注目されるのが「変額定期保険」や「変額養老保険」です。特に中小企業の経営者にとって、これらの保険の特徴と損金処理、資産計上、予定利率の扱いなどを正しく理解することは、財務戦略上とても重要です。

変額定期保険とは?

変額定期保険は、保険期間が定められた「定期型」の生命保険で、保険料の一部が運用され、その運用実績によって解約返戻金や死亡保険金の一部が変動します。貯蓄性は比較的低めですが、コストを抑えながら一定の保障を確保したい企業に向いています。

一方で、満期保険金は存在しないため、資産形成よりも死亡保障が中心です。

変額養老保険との主な違い

変額養老保険は、一定期間満了時に満期保険金が支払われるタイプの保険で、運用成果によって満期金・解約返戻金が変動するのが特徴です。つまり、貯蓄性や投資性が高く、長期的に資金を蓄えたい場合に向いています。

対して変額定期は、「一定期間の死亡保障+最低限の返戻」という構成で、短期的な資産対策や経営者死亡リスク対策に適しています。

損金算入の取り扱い比較

項目 変額定期保険 変額養老保険
保険料の損金割合 契約内容により一部損金(例:1/2損金) 原則資産計上。ただし一部経費化可能な設計もあり
取扱根拠 法人税基本通達9-3-5、9-3-5-2など 法人税基本通達9-3-5-1ほか

変額定期保険の中でも「定期保険特約+積立部分」に分かれた商品構成の場合、保険料の一部(定期部分)は損金処理できることがあります。

積立性(返戻率・資産計上)の違い

変額定期保険は運用部分があるとはいえ、返戻率は商品設計や契約年数に依存し、基本的には満期返戻金がないため資産性は限定的です。

変額養老保険は、長期間運用によって高い返戻率を実現する可能性があるため、将来の退職金原資や社内留保としての活用にも向いています。ただし、運用状況によって元本割れのリスクもある点に注意が必要です。

予定利率と運用の違い

どちらも「変額保険」であるため、固定の予定利率は存在しません。運用先(特別勘定)による成果が、保険金や解約返戻金にダイレクトに反映されます。

たとえば、国内債券型・海外株式型・バランス型などを選択できる商品もあり、契約者が運用スタイルを選ぶことも可能です。

まとめ:目的によって最適な保険を選ぼう

変額定期保険は、保険料の一部損金化ができ、一定の死亡保障を持ちながら運用リターンも狙えるのが特徴です。経費処理と保障重視のバランスを取りたい経営者に向いています。

一方、変額養老保険は、長期的な資産形成をしながら、将来的に満期保険金を活用したい場合に有効です。どちらも「変額型」であるため、運用リスクとリターンのバランスをよく理解したうえで契約しましょう。

詳細な損金処理や税務上の判断については、国税庁の法人税基本通達や、税理士・保険の専門家に確認することをおすすめします。

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