「デフレ」という経済状況の中で、自分のお金や資産をどう守るかは非常に重要なテーマです。とくに定期預金のような安全な資産運用をしている場合、その選択が本当に「損か得か」を理解しておくことで、今後の資産形成に役立ちます。
デフレとは何か?簡単におさらい
デフレとは、物価が持続的に下落していく経済状況のことを指します。たとえば、去年まで100円だったパンが今年は90円で買えるようになるような現象です。逆の現象は「インフレ」です。
デフレが続くと、現金の価値が相対的に上がり、「同じお金でより多くのものが買える」ようになります。つまり、お金の実質的な購買力が上がるのです。
定期預金とデフレの関係
定期預金とは、一定期間お金を銀行に預けて利息を得る金融商品です。例えば、100万円を年0.01%の金利で1年預けると、100円の利息がつきます。
しかしデフレ下では、物価が下がるため、その100万円の価値は結果的に上昇します。つまり、金利がほとんどつかなくても、お金の価値は目減りしにくくなるというメリットがあるのです。
インフレとの比較:なぜデフレ下の現金は強いのか
インフレ時には、物価が上がるため、現金の価値は減っていきます。例えば、年2%のインフレが続けば、現金100万円の価値は1年後には実質98万円分の購買力に減ってしまいます。
対してデフレ時は、インフレとは逆にお金の価値が保たれる、もしくは高まるため、「利息が低くても損をしているわけではない」と言えます。
デフレ下で注意すべき点:利息が極端に低いこと
ただし注意点もあります。現在の日本の定期預金金利は非常に低く、年0.002%〜0.01%程度が一般的です。これでは預金額が増える実感が得られないのも当然です。
デフレの恩恵を受けるとはいえ、金利だけで資産を増やすのは難しいため、他の資産運用と組み合わせて考えることが推奨されます。
実際のシミュレーション例
たとえば、物価が年2%下がるデフレ環境下で、100万円を金利0.01%の定期預金に1年間預けたとします。この場合、得られる利息は約100円です。しかし物価が2%下がるため、100万円の購買力は実質102万円分になると解釈できます。
つまり、「金利がつかなくても実質的には得している」状態になります。
まとめ:デフレと定期預金は相性が良いが過信は禁物
デフレ環境では、物価が下がることで現金や定期預金の「実質的な価値」は上がります。したがって、定期預金をしていてもお金が減ることはありません。
とはいえ、長期的な資産形成を考えるなら、低金利の定期預金だけに依存せず、分散投資やインフレへの備えも視野に入れておくことが大切です。
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