退職や収入の減少により国民年金の支払いが厳しいと感じる方は少なくありません。特にパート勤務や一時的な無職期間があった場合、年金の免除制度の対象になる可能性があります。本記事では、国民年金の免除制度や審査対象となる所得の範囲、そして市民税免除との関連について解説します。
国民年金の免除制度とは?
国民年金には支払いが困難な場合に利用できる「全額免除」「一部免除」「納付猶予」といった制度があります。これらの制度は前年の所得に基づいて審査され、市町村に申請することで適用の可否が判断されます。
免除を受けると将来の年金受給額は減少しますが、未納よりも影響は少なく、年金加入期間にもカウントされるためメリットは大きいです。
前年の所得はどう計算される?
免除の審査に用いられるのは、申請する年の前年の所得です。たとえば2024年度分の免除申請では、2023年1月〜12月の所得が対象になります。
そのため、退職後に収入が減っていても、前年に一定の給与所得があれば、免除の対象にならないこともあります。
有給期間の給与は所得に含まれる?
退職前に取得した有給休暇中の給与も当然ながら「給与所得」に含まれます。たとえ2月や3月に実際の出勤がなかったとしても、有給分の給与が支払われていればそれは所得としてカウントされます。
このため、退職月が3月であっても、2月や3月の給与明細が出ていれば、その分も所得に含めて計算されます。
失業給付(雇用保険)は所得に含まれる?
失業給付(失業保険)は、国民年金の免除審査において「所得」には含まれません。したがって、退職後の7ヶ月間に失業給付で生活していたとしても、それが免除の審査に悪影響を及ぼすことはありません。
ただし、失業していた証明として「雇用保険受給資格者証」の写しの提出が求められる場合があります。
市民税が非課税なら免除になる可能性が高い
市民税(住民税)が非課税の場合、国民年金の全額免除が認められる可能性が高くなります。市民税非課税世帯とみなされれば、所得審査をクリアしていると判断されるからです。
すでに市民税が非課税であれば、国民年金の免除申請を早急に行う価値があります。該当しそうな方は年金事務所や市区町村の窓口で相談するのが確実です。
まとめ:年金免除は「前年度所得」がカギ
国民年金の免除制度は、退職や収入減によって支払いが難しい場合に大きな助けとなる制度です。審査対象となる所得は、申請年の前年の所得であり、有給期間の給与も含まれる点に注意が必要です。
一方で、失業給付は所得に含まれず、市民税が非課税であれば免除の可能性は高まります。申請のタイミングを逃さず、自身の状況を踏まえて適切に対応しましょう。
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