「56歳になって、いま自分の貯蓄は世間的に見てどうなんだろう」と感じる方は少なくありません。特に退職や年金受給が見えてくるこの時期は、将来に対する不安も強くなりがちです。本記事では、56歳男性の平均貯蓄額や中央値、また今からできる老後資金の備え方を解説します。
56歳男性の平均・中央値の貯蓄額
金融広報中央委員会が公表する「家計の金融行動に関する世論調査(2023年)」によると、50代単身世帯の金融資産保有額の平均は約1,131万円、中央値は約500万円です。
なお、平均値は高額資産保有者に引き上げられやすいため、実態を把握するには中央値を見ることが重要です。中央値で見れば、半数の人が500万円未満というのが現実です。
共働きや扶養家族の有無によっても変わる
配偶者の有無や扶養家族(子ども)の状況でも、貯蓄可能額は大きく変わります。たとえば、大学進学中の子どもがいる家庭では、教育費の支出が多く、貯蓄を増やす余裕が限られるケースが多いです。
一方、子どもが独立し夫婦2人の生活に戻れば、生活費は抑えられるため、今からでも十分な貯蓄を積み増すことは可能です。
持ち家・ローン完済済みかどうかも重要な視点
同じ1,000万円の貯蓄があっても、住宅ローンを完済している人と、これからも返済が続く人とでは、実質的な「自由資金」に大きな差があります。老後資金を考えるうえでは、家計の固定支出も見逃せません。
また、持ち家の場合は住宅を「資産」と捉えることもできますが、固定資産税や修繕費用がかかる点も念頭に置く必要があります。
年金受給までの資金計画の立て方
年金支給開始年齢(原則65歳)までの約10年間をどう過ごすかが、貯蓄計画のカギです。失業や早期退職などが起こると、思わぬ貯蓄切り崩しに繋がるリスクも。
例:毎月の生活費20万円×12ヶ月×10年=2,400万円という資金が必要になるため、手元にある貯蓄や退職金、企業年金などを組み合わせて備えていくことが大切です。
今からできる老後資金対策
- NISAやiDeCoを活用して非課税で資産形成
- 固定費(保険料・通信費・住宅費)の見直し
- 不要な資産の売却(自動車や空き家など)
- パート・副業での収入確保
56歳という年齢は、まだリスクを取りすぎず、しかし確実に資産を増やすプランを立てられるタイミングです。特にiDeCoや新NISAの活用は、税制優遇があるため堅実な資産運用が期待できます。
まとめ:自分に合った「備え方」を選ぶことが最重要
56歳の平均貯蓄額は1,000万円超とも言われますが、実際には中央値の500万円が現実に近いと考えられます。老後資金のゴールは一律ではなく、自身の家族構成・健康・働き方に応じて変化するものです。
数字だけに一喜一憂するのではなく、今後どう備えるかを考えることが、より安定したセカンドライフへの第一歩です。
コメント