1年のうちに複数のバイトを経験したり、親の扶養に入ったまま働いているフリーターの場合、年末調整や確定申告、源泉徴収票の扱いなどについて悩む人は多いでしょう。今回は、専門学校を中退後に複数のアルバイトをしている10代後半〜20代前半の方を想定し、年末にやるべきことや注意点、扶養と103万円の壁の関係についてわかりやすく解説します。
バイトを複数掛け持ちしている場合の年末調整の仕組み
年末調整とは、1年間に支払った税金と本来払うべき税額を調整して、払いすぎていれば還付、足りなければ追加徴収する手続きのことです。ただしこれは「1か所のみで勤務している場合」に行われるもので、バイトを複数掛け持ちしている人は自分で確定申告を行う必要があります。
たとえば「1月〜3月はほっともっと」「5月から猫カフェ」「空いてる日はタイミーやフルキャスト」といったように、勤務先が複数ある場合は、年末にどの勤務先も年末調整してくれません。あなた自身がすべての勤務先から源泉徴収票を集め、翌年の2月〜3月に確定申告を行う必要があります。
源泉徴収票はどこからもらうの?
勤務していたすべての会社・事業者から源泉徴収票を受け取りましょう。
- ほっともっと:1月〜3月の給与を含めた源泉徴収票を発行してもらう
- 猫カフェ:年末調整してくれない場合は、源泉徴収票を発行依頼
- フルキャストやタイミーなど単発バイト:多くの場合、アプリ上で源泉徴収票をダウンロードできます
これらすべてを揃えて、翌年2月16日〜3月15日頃に確定申告を行うと、払いすぎた税金が戻る可能性があります。
扶養と103万円の壁の関係性とは
親の扶養に入っている場合、年収(給与所得控除後)が103万円を超えると「所得税上の扶養」から外れてしまいます。2024年時点では、年間の給与収入が103万円以下なら扶養内でいられます。
ただし、社会保険に加入した場合(厚生年金や健康保険)には「106万円の壁」「130万円の壁」など別の基準が関わってくるため注意が必要です。
猫カフェで社会保険加入になるとどうなる?
仮に9月や10月から猫カフェで社会保険に加入できた場合、その時点から社会保険の扶養を外れることになります。つまり、103万円の壁は気にせず働けますが、保険料や年金保険料の自己負担が発生します。
加入基準は勤務時間・日数・収入などによって異なり、以下のような条件がある場合が多いです。
- 週20時間以上勤務
- 月額賃金88,000円以上
- 勤務期間が2か月を超える見込み
加入により将来の年金額が増える一方で、手取りが下がる可能性もあるので要確認です。
確定申告が必要なケースと手続き方法
年末調整をしていない、または複数の収入源がある場合には、確定申告が必要です。必要なものは以下の通り。
- すべての勤務先の源泉徴収票
- マイナンバーカードまたは通知カード
- 本人名義の口座情報(還付金受取先)
税務署に行くか、国税庁のe-Taxで手続きできます。還付申告のみであれば、翌年1月から申告可能です。
まとめ:働き方が多様な今こそ、年末に備えて情報整理を
バイトを掛け持ちしている人は、年末調整の対象外になるケースが多く、自分で源泉徴収票を集めて確定申告する必要があります。また、社会保険に加入すれば扶養の壁を超えても問題ありませんが、その分保険料負担が増える点に注意しましょう。
自分の年収や就業状況を把握し、税金や扶養に関する知識をしっかり身につけておくことで、損をせず安心して働き続けることができます。
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