奨学金の申請を検討している方の中には、家庭の事情で「親が確定申告をしていない」状態で悩んでいる方も少なくありません。特に自営業の場合、収入証明の提出が必要になる場面も多く、不安になるのも当然です。この記事では、親が確定申告をしていない場合の奨学金申請への影響と、その対処法について解説します。
奨学金申請に必要な「収入証明」とは?
奨学金の申込には、家庭の経済状況を示す「収入に関する書類」の提出が求められます。日本学生支援機構(JASSO)の奨学金を例にとると、主に以下の2つが該当します。
- 給与所得者の場合:「源泉徴収票」または「住民税課税証明書」
- 自営業者の場合:「確定申告書の写し」
つまり、自営業の親が確定申告をしていない場合、提出すべき書類がない=収入証明ができない状態となってしまいます。
収入証明がないとどうなる?
奨学金制度では、申請者の世帯収入が基準以下であることを証明しなければなりません。そのため、確定申告をしていない=無申告状態だと「審査対象外」になる可能性が高くなります。
また、提出期限に間に合わないと、そもそも申し込みが受理されないケースもあります。早めの対応が何より重要です。
親が無申告の場合の対処法
親が自営業で確定申告をしていない場合、次のいずれかの方法で対応できる可能性があります。
- 遡って確定申告を行う:5年分まで遡って申告可能。
- 市区町村の「所得証明書(非課税証明書)」を取得する:申告がないと「無所得」として扱われることも。
- やむを得ない事情がある場合は、学校の奨学金担当に相談する:特例的な措置が認められることもあります。
例として、病気や災害などで申告ができなかった事情がある場合、それを証明する書類を添えて申請できる場合もあります。
確定申告をしていない親がいる中で奨学金を借りた実例
例えば、ある高校3年生の家庭では、父親が長年自営業をしていたものの確定申告を怠っていたため、住民税の課税証明も提出できない状態でした。しかし、学校の奨学金担当者と相談した結果、「本人名義の所得証明」「母親の扶養控除の証明書」などを組み合わせて対応し、無利子奨学金の採用につながりました。
このように、状況に応じた柔軟な対応が可能な場合もあるため、まずは「相談」が重要です。
その他の選択肢:奨学金以外の支援制度
奨学金にこだわらず、以下の制度も併せて検討することをおすすめします。
- 教育ローン(日本政策金融公庫)
- 地方自治体の独自奨学金制度
- 学校独自の支援制度や授業料免除制度
これらは収入証明が緩やかなケースもあるため、該当条件を確認しましょう。
まとめ:確定申告がなくても道はある
確定申告をしていない親がいると、奨学金申請が困難になるのは事実ですが、それが「絶対に借りられない」というわけではありません。
遡って申告をする、所得証明の代替書類を提出する、学校の担当者に相談するなど、さまざまなアプローチがあります。早めに動くことで、進学への道をしっかりとつなぐことが可能です。
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