長年意識されてきた「103万円の壁」、実は2025年以降、大きく変わっています。扶養内パートや配偶者控除を目指す方にとって重要な制度変更を、最新の税制改正と社会保険制度の視点から整理してお届けします。
所得税の「103万円の壁」は123万円に引き上げ
2025年の税制改正により、扶養控除の対象となる給与所得の水準が103万円から123万円まで拡大されました[参照]。これによりパートやアルバイトの方が働ける上限が広がり、働き方の自由度が増しました。
さらに基礎控除の拡充によって、課税最低限が160万円になるなど、扶養控除のあり方も見直されています。
社会保険の「106万円の壁」は2026年までに撤廃へ
現在、従業員数51人以上の企業では、年収106万円(賃金月額8.8万円)かつ週20時間以上の要件で社会保険加入義務が発生します。しかし、2025年6月施行の年金制度改正で見直され、賃金要件は撤廃、2026年10月までに企業規模要件も段階廃止となる予定です[参照]。
つまり、将来的には「週20時間以上」で働く方は、企業規模に関わらず社会保険加入対象になります。
「130万円の壁」の適用も見直しへ
これまで配偶者の扶養から外れる基準だった年収130万円の壁も、新制度では雇用契約上の基本給等が判定基準とされ、残業代は除外されます[参照]。
また、繁忙期など一時的な収入増加に対して「事業主の証明」があれば、最長2年間扶養内扱いを継続できる制度も導入されています。
まとめ:扶養内で働ける上限が実質拡大中
まとめると、2025年以降は以下のような新しい状況になります。
- 税制上の壁:103万円→123万円に引き上げ
- 社会保険の106万円の壁:賃金要件撤廃へ(2025年6月~)
- 社会保険の130万円の壁:基本給基準+残業除外の柔軟対応
2025年以降は、扶養範囲で安心して働ける範囲が格段に広がります。勤務時間・収入の調整を検討中であれば、制度の変更を踏まえて選択肢が広がる今年からの就労計画が特におすすめです。
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