体調の変化や生活の見直しに伴い、「夫の扶養に入りたい」と考える方は少なくありません。しかし、夫が勤務先の健康保険ではなく国民健康保険(国保)に加入している場合、手続きや制度が異なるため注意が必要です。本記事では、社会保険から国保への切り替えの流れや注意点を解説します。
まず確認:国保には「扶養」という制度がない
会社員が加入する健康保険(協会けんぽ・組合健保)では「扶養者の保険料は無料」という制度がありますが、国民健康保険には扶養という概念がありません。
そのため、夫が国保に加入している場合、あなた自身も個人として別に国保に加入し、保険料を支払う必要があります。
勤務時間を減らせば社会保険から外れる?
現在あなたが社会保険に加入している場合、勤務先での労働時間が「週20時間以上」または「月収88,000円以上」など一定条件を満たすと被保険者のままとなります。
ただし、月130時間未満・年収130万円未満に調整することで、退職や保険脱退をしなくても社会保険の資格喪失につながることがあります。
具体的な基準は事業所の規模や雇用契約にもよるため、勤務先の総務部などに確認を取りましょう。
国保への加入は市役所で手続き
社会保険をやめると、自動的に健康保険の資格を失うため、原則として14日以内にお住まいの市区町村役所で国民健康保険の加入手続きを行う必要があります。
手続きに必要な書類。
- 社会保険の資格喪失証明書
- 本人確認書類(運転免許証など)
- マイナンバー確認書類
- 印鑑(自治体による)
手続き完了後、個別にあなた用の保険証が発行され、保険料は世帯単位で計算されますが一人分が増える形になります。
保険料は上がる?世帯収入に応じて変動
国保は「加入者1人ごとに保険料が増える」仕組みです。そのため、夫婦2人とも国保に加入している場合、世帯収入に応じた保険料が算出されます。
あなたの収入が年130万円未満であれば、保険料は比較的低く抑えられますが、それでも0円ではありません。市区町村の保険料計算シミュレーターなどで概算を確認しておくと安心です。
実例:勤務時間を調整して国保へ切り替えたケース
例:30代女性Aさんは体調不良で月130時間→80時間に勤務時間を減らした結果、社会保険の資格を喪失。ご主人が自営業で国保加入のため、自身も市役所で国保手続きを実施。月額約6,000円の保険料が発生したが、医療費は3割負担で利用可能になった。
「夫の扶養に入る」といった感覚ではなく、「自分が国保の一員として独立加入する」という制度である点に注意が必要です。
まとめ
夫が国民健康保険加入者である場合、扶養に“入る”という制度は存在せず、あなた自身が国保に加入する必要があります。勤務時間を調整して社会保険を外れたあとは、市区町村の窓口で速やかに手続きを行いましょう。
今後の生活設計や保険料負担も見据え、必要に応じて市役所の国保担当窓口や勤務先に早めに相談することをおすすめします。
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