国民年金を長期間免除していた方や、障害年金を受給している方の中には、「65歳以降に年金は受け取れるのか」「障害年金と老齢年金は併給できるのか」などの疑問を持たれる方が少なくありません。この記事では、そうした悩みをわかりやすく解説し、受給額の目安や注意点も紹介します。
国民年金の免除期間があっても老齢年金は支給される?
国民年金には「全額納付」以外に、「全額免除」「一部免除」「納付猶予」といった制度があります。免除期間があると将来の年金受給額に影響しますが、一定の期間加入していれば、たとえ未納期間があっても老齢基礎年金は支給されます。
受給資格は10年以上の保険料納付期間(納付済・免除・合算対象期間含む)で得られます。つまり、長期間免除されていても、受給資格期間を満たしていれば、65歳から年金は受け取れます。
免除期間の年金額はどう計算される?
免除期間は、保険料の納付状況に応じて年金額が一部反映されます。たとえば、全額免除の場合は通常の納付額の1/2が年金額に反映されます(令和元年4月以降は1/2、以前はそれ以下)。
例えば、40年(480月)すべて全額免除だった場合の受給額は、満額の半分、つまり約40,000円〜45,000円ほどが想定されます(年金制度の見直しや物価により変動)。
障害年金と老齢年金の併給は可能か?
障害年金と老齢年金は、原則として同時には受け取れません(いわゆる「選択制」)。どちらか一方の年金を選択して受け取る形になります。
たとえば、65歳以降に「障害基礎年金」と「老齢基礎年金」の両方の受給資格がある場合は、金額の多い方を選ぶのが一般的です。ただし、「老齢厚生年金」と「障害基礎年金」のように異なる制度の組み合わせであれば、一部併給が可能になるケースもあります。
具体的な受給額のシミュレーション
52歳の方で、障害基礎年金(月7万円前後)を受給している場合、65歳以降も障害等級が続いていれば、障害年金の受給が継続されます。老齢基礎年金の受給資格がある場合でも、選択制のため、どちらかの受給となります。
一例として、免除期間が20年、納付期間が5年ある方であれば、老齢基礎年金は年額で約25万円〜30万円前後(月換算で2万円強)となることが多いです。ただしこれは大まかな試算ですので、正確な金額は年金事務所での「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認するのが確実です。
受給額を増やすには?
将来的に老齢基礎年金の受給額を増やしたい場合、「付加年金」や「任意加入制度」なども検討の余地があります。ただし、障害年金との関係で適用対象外になる場合もあるため、個別に確認が必要です。
また、60歳以降も未納期間がある場合は、65歳までに追納や任意加入で納付を行うことで、老齢基礎年金の受給額を少しでも上乗せできる可能性があります。
まとめ:免除期間があっても老齢基礎年金はもらえるが、障害年金との併給には注意
国民年金の免除期間が長くても、受給資格期間を満たしていれば65歳から老齢基礎年金を受け取ることは可能です。ただし、障害年金をすでに受給している場合は、65歳以降は「障害年金」か「老齢年金」の選択制になるため、支給額の多い方を選ぶ必要があります。
具体的な受給額や受給の可否は個別のケースにより異なるため、不安がある方は日本年金機構や最寄りの年金事務所に早めに相談することをおすすめします。
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