定年退職後のセカンドライフにおいて、企業年金を受給しながら働くという選択肢は、生活の安定と社会とのつながりを維持する上でとても重要です。本記事では、60歳以降の働き方と企業年金の活用方法について、実際の事例を交えながら解説します。
企業年金とパート勤務の組み合わせは現実的な選択
多くの企業年金では、60歳から5年間や10年間といった期間で一定額が支給される確定給付型が主流です。たとえば、3カ月に一度約9万円を受給しながら、パート勤務で不足分を補うというスタイルは、精神的にも経済的にも無理のない働き方です。
特に年間で約36万円~38万円の年金収入があれば、家計における住居費や食費の一部を賄うことができ、パート勤務によって変動費や娯楽費を補う形が実現可能です。
60歳以降に選ばれる働き方の傾向
最近では、以下のような働き方を選ぶ方が増えています。
- 週3日・1日5時間勤務の軽作業(清掃・品出しなど)
- 得意分野を活かした講師業(趣味教室・パソコン教室など)
- 再雇用制度を利用した同じ職場での時短勤務
- 地域活動やボランティアを兼ねたNPO勤務
これらの働き方は、時間の余裕を持ちながら社会とつながり続けられることが魅力です。
働き方と年金受給のバランスを考慮しよう
企業年金を受け取りながら働く場合、所得税や住民税の影響も考慮する必要があります。パート収入が増えすぎると、所得制限によって健康保険料や介護保険料が高くなる可能性もあるため、年収130万円以内や150万円以内に抑えるという判断も一つの工夫です。
また、公的年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)を受給している方は、「在職老齢年金」の仕組みに注意が必要です。年金と給与の合計額により、年金が減額されることがあります。
生活を支える副収入の活用方法
企業年金・パート収入以外にも、小規模な副収入を得る工夫もあります。たとえば、以下のような選択肢です。
- 自宅の一部を貸す(民泊や賃貸)
- ブログやSNS運用による広告収入
- フリマアプリでの不用品販売
これらは少額でも家計を助ける存在となり、自由度の高い働き方を選ぶ後押しとなります。
心身の健康も働き方の大切な軸
60代以降は、収入とともに健康維持も重要なテーマです。無理のないシフト、職場環境、人間関係が整った仕事を選ぶことで、長く楽しく働き続けることが可能になります。
また、地域の高齢者向け就労支援センターやハローワークでは、年齢に合った仕事紹介やキャリア相談を無料で受けられるため、ぜひ活用してみてください。
まとめ:企業年金を基盤に安心して選べるセカンドキャリア
60歳からの働き方は、「収入」「健康」「やりがい」の3つのバランスが大切です。企業年金という土台があることで、生活にゆとりを持った働き方が実現しやすくなります。
自分らしい暮らし方を目指して、焦らず着実に働き方を選びましょう。迷ったときは、同じ世代の体験談や行政の支援制度を活用して、視野を広げることが成功のカギになります。
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