保険の給付申請において重要なポイントのひとつが「初診日」です。特に、糖尿病性腎症から慢性腎不全へ進行した場合など、病名が変わるケースでは「どの時点が初診日なのか?」と迷う方も多いのではないでしょうか。本記事では、保険実務や医療制度の観点から、初診日についての正しい理解と判断基準を解説します。
そもそも「初診日」とは何か?
初診日とは、給付の対象となる疾病について、初めて医師の診療を受けた日のことを指します。これは「通院日」や「検査日」とは異なり、症状があり、医師がその症状について診療を行った日を意味します。
したがって、紹介状によって大学病院に転院した場合でも、その紹介元で既に診断・治療が行われていたのであれば、その最初の診察日が「初診日」となります。
糖尿病性腎症→慢性腎不全:初診日はどこ?
今回のように、糖尿病性腎症と診断されたのち、紹介により大学病院で「慢性腎不全」と診断されたケースでは、両者が同一疾患の進行過程とみなされるため、初診日は「糖尿病性腎症で最初に医療機関を受診した日」となります。
保険会社の多くは、疾患の進展に伴って病名が変わっても、原因が同一であれば最初の受診日を初診日とみなす運用をしています。これは、日本年金機構などの障害年金制度にも共通した考え方です。
Web申請で診断書が不要な場合の注意点
Webで保険給付の申請を行う場合、診断書の提出が省略されていることもありますが、その場合も初診日を自己申告する際の正確性が求められます。虚偽の申告や間違いがあった場合、支払い遅延や調査対象になる恐れがあるため注意が必要です。
紹介元の病院の受診日が記録に残っていれば、それが初診日である旨を備考欄などに記載するとより安心です。
初診日の確認方法と記録の取り方
医療機関に問い合わせて、カルテや診療記録から「最初に糖尿病の症状で受診した日」を確認することが可能です。また、健康保険の診療明細やレセプト(診療報酬明細書)などが手元にあれば、それも根拠となります。
保険会社に相談する際には、「紹介元で診断された病名」「診察日」「大学病院での受診日」などを整理して伝えると、担当者も判断しやすくなります。
病名が変わっても「初診日」は変わらないのが原則
病名が「糖尿病性腎症」から「慢性腎不全」に変わっていても、医師が最初に診察を行った疾患に由来する進行であれば、初診日は変わりません。この原則は、保険給付や障害年金に共通しており、多くの制度で共通に適用される考え方です。
まとめ:正しい初診日を把握し、トラブルなく申請しよう
給付金申請時の「初診日」は、医療費補償や障害認定にとって極めて重要です。病名が変わったり、紹介状で転院した場合でも、同一疾患の進行と認められる場合は、最初に診察を受けた日が初診日となります。診断書が不要なWeb申請でも、正確な申告が大切です。疑問があれば、保険会社に事前に相談することをおすすめします。
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