年に複数の働き方をしていると、翌年の確定申告が必要かどうか判断が難しくなります。特にフルタイムパート、スポットワーク(タイミー等)、短時間パート、失業保険を受給した場合など、それぞれに申告要件が異なります。この記事では、こうした状況における確定申告の要否と判断のポイントを解説します。
複数の収入源がある人に確定申告が必要なケースとは?
確定申告が必要となる一般的な条件には以下のようなものがあります。
- 給与所得が1か所で年収103万円を超え、かつ年末調整がされていない
- 2か所以上から給与を受けていて、副収入が20万円を超える
- 雑所得(タイミーなど)が20万円を超える
- 失業保険は非課税だが、他に課税対象所得がある場合
上記に該当する場合は、翌年3月の確定申告が必要です。
タイミーなどスポットワークの収入は「雑所得」扱い
スポットワークアプリであるタイミーの収入は通常「雑所得」として扱われます。年間20万円以下なら確定申告不要ですが、20万円を超えると申告義務が発生します。
注意点として、収入の合計ではなく「利益(=収入-必要経費)」で20万円を超えるかどうかが基準です。通勤交通費や作業に必要な道具代などが経費として認められる場合もあります。
パート勤務が複数ある場合の対応
フルタイムで勤務していた5月までのパート収入、8月からの週18時間のパート勤務の両方で給与を得ていた場合、「2か所以上から給与を受けている」ことになります。
この場合、主たる給与(通常は金額が多い方)には年末調整がされていたとしても、副収入のある勤務先からの給与が20万円を超えると確定申告が必要になります。
失業保険と確定申告の関係
失業保険(雇用保険の基本手当)は非課税所得であり、原則として確定申告の対象外です。ただし、同時期に給与所得や雑所得がある場合は、それらの合算により申告が必要になることがあります。
また、国民健康保険料や住民税の計算には影響することがあるため、支払通知などは保管しておきましょう。
確定申告が不要でも「住民税申告」が必要なケースも
課税所得がない、または少額の人でも、市町村に対して住民税の申告が必要な場合があります。これにより、住民税の課税・非課税の判断や国民健康保険料の算定に影響します。
特に年の途中で退職し、その後アルバイトやパート、スポットワークをしている場合には、市役所で住民税申告を忘れずに行いましょう。
確定申告が必要か迷ったときのチェックリスト
- 給与が2か所以上から出ている(→副収入が20万円超なら必要)
- スポットワークで20万円超の雑所得がある
- 失業手当以外に課税対象の収入がある
- 医療費控除やふるさと納税で還付申告をしたい
1つでも該当するなら、確定申告を検討するべきです。
まとめ:収入が多様な年は「要申告」かどうか要チェック
フルタイム→タイミー→短時間パートという就労形態の変化に加えて、失業保険も絡むと申告判断は複雑になります。確定申告が必要かどうかは、年間の合計所得・収入源の数・年末調整の有無がポイントです。
不明な場合は税務署の相談窓口や国税庁の確定申告特集ページなどを活用し、早めの確認をおすすめします。
コメント