63歳・65歳からの年金受給開始は選べる?年金定期便の見方と損しない受給タイミングの考え方

年金

60代前半になると、年金定期便に記載された年金額を見て、いつから受給すべきか迷う方が多くなります。特に63歳や65歳といった節目で受給開始の選択が可能なケースでは、金額の違いや生活資金への影響が気になるところです。本記事では、年金定期便に表示される63歳・65歳からの受給金額の違いの意味や、それぞれの選択によるメリット・デメリットについて解説します。

年金定期便に書かれている「63歳~」「65歳~」の意味とは?

年金定期便には、将来の受給見込み額として「63歳~」「65歳~」など複数の年齢での金額が記載される場合があります。これは年金の受給開始年齢を自分で選べる仕組みによるものです。

基本的に、老齢厚生年金の受給開始年齢は原則65歳ですが、60歳から70歳までの間で自由に受給開始年齢を選ぶことができます。早く受け取れば受給額は減額、遅らせれば増額されるという仕組みです。

63歳から年金をもらうといくら減る?

受給開始年齢を65歳よりも前倒しすると、年金は「繰上げ支給」となり、1ヶ月繰上げるごとに0.4%ずつ減額されます。つまり、63歳から受給を始めると、約24ヶ月の前倒しとなり、約9.6%の減額が生涯にわたって続きます。

たとえば65歳からの予定額が月15万円の場合、63歳からもらうと約13.56万円になります。この差は大きいため、急ぎ生活資金が必要でない場合は慎重に判断すべきです。

65歳以降に繰下げ受給すると逆に増える

一方で、受給開始を66歳~70歳まで遅らせることもでき、これを「繰下げ支給」といいます。1ヶ月繰下げるごとに0.7%増額されます。65歳→66歳なら+8.4%、70歳まで繰下げると最大+42%になります。

長寿リスクに備えたい人や、退職後も収入源がある人には繰下げ受給も選択肢となるでしょう。65歳から月15万円の人が70歳に繰下げると、月21.3万円に増える計算です。

受給年齢の選択に影響する生活状況の要因

いつ年金をもらい始めるかは「金額」だけでなく「生活資金の必要性」や「健康状態」など個人の状況にもよります。

  • 生活費が足りない→早めに受け取る(減額を受け入れる)
  • まだ働いていて収入がある→繰下げして将来の額を増やす
  • 平均寿命以上に長生きしそう→繰下げの方がトータル得になる可能性あり

一度選んだ受給開始年齢は原則変更できないため、先を見据えた計画が必要です。

働きながら年金を受給する際の注意点

60歳以降も働いて収入がある人が年金を受け取る場合、「在職老齢年金」という仕組みにより、年金の一部または全部が支給停止になる場合があります。

特に62歳~64歳の間は月額28万円を超える収入があると減額される可能性があるため、就労と年金の両立を考えている方は制度内容の確認が重要です。

まとめ:年金の受け取り方で老後資金の差は大きくなる

年金定期便に記載された「63歳~」「65歳~」の年金額は、あなた自身がどの年齢から受け取るかを選択できるという意味です。

繰上げれば早くもらえる分金額が減り、繰下げれば遅くなるが増額される仕組みです。自身の健康・生活状況・収支バランスを考慮し、後悔のない受給タイミングを選びましょう。迷ったときは年金相談センターや社会保険労務士などの専門家に相談するのも有効です。

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