国民健康保険料は、原則として前年の所得に応じて計算されます。しかし、無収入であっても自治体に「所得なし」の申告をしなければ、最大の保険料が課されることがあります。本記事では、申告を忘れてしまった場合のリスクや対処法、また注意点を具体的に紹介します。
なぜ無収入でも高額な納付書が届くのか
自治体では、前年の所得情報をもとに国保の保険料を算出します。しかし、確定申告や住民税申告をしていない場合、「所得不明」とみなされ、最高額の保険料が自動的に設定されるのです。
無収入であっても、申告がなければ「収入がある可能性がある」と判断され、減額措置が受けられません。
収入がない場合に必要な「所得申告」
無収入だった年も、役所に「収入ゼロでした」という申告(住民税の申告)が必要です。これは確定申告とは別で、会社勤めをしていない方や無職だった方でも求められるケースがあります。
この申告をしておくことで、国民健康保険料の減額判定が正しく行われます。手続きは市区町村の窓口で可能です。
納付書が届いたあとではどうなる?
すでに納付書が届いてしまったあとに申告しても、原則として第1期(最初の納付分)は減額対象外となります。理由は「保険料の確定後に申告がなされたため」とされるからです。
第2期以降は正しい所得に基づいて再計算され、多くの場合減額されますが、払い過ぎた第1期分は返金されないのが一般的です。
申請を忘れていた人の実例
たとえば、前年に失業して収入が0だったAさん。確定申告を不要と考えて申告をしていなかったところ、翌年に年間保険料35万円の納付書が届きました。市役所に相談したところ、申告すれば減額できるとのことでしたが、第1期分約6万円は返金されませんでした。
これは自治体ごとの運用にもよりますが、基本的に「遡って減額」は制限されているためです。
見落としがちな「通知」や「制度の説明」
多くの自治体では、3月ごろに「住民税申告のお願い」などの案内が郵送されますが、目立たない通知であることが多く、見落とされがちです。
また、役所から積極的に「申告してください」と電話などで連絡がくることもほとんどないため、自分で気づいて動く必要があります。
知っておきたい救済措置
一部の自治体では、事情を説明することで特別な配慮がされることもあります。「申告を忘れていた」「制度を知らなかった」という正直な説明とともに、納付が困難である旨を伝えることで、猶予や減免の制度が適用される場合もあります。
ただし、制度や対応は自治体によって異なるため、必ず窓口で相談しましょう。
まとめ:申告は「無収入」でも必要。早めの行動がカギ
国民健康保険料を適正に抑えるには、「前年の所得申告」が重要です。無収入だからといって申告をしないと、思わぬ高額請求に繋がることがあります。すでに納付書が届いてしまった場合でも、すぐに役所に相談すれば第2期以降の減額や救済措置が受けられる可能性があります。
毎年の3月〜5月ごろには申告の案内が届いていないかチェックし、自分の状況に合わせて必ず対応するようにしましょう。
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