傷病手当金の申請は、健康保険からの給付を受ける大切な手続きですが、必要書類のやりとりに時間がかかると、生活に大きな影響を及ぼすこともあります。とくに会社側で書類の記入や返送が滞っている場合、どう対応すべきか悩む人も多いでしょう。本記事では、会社から書類が返送されないときの対処法や注意点を詳しく解説します。
傷病手当金の申請に必要な書類の流れ
傷病手当金の申請には、主に次の4つの書類が必要です。
- ①本人記入欄
- ②医師の意見書
- ③事業主(会社)の証明欄
- ④支払状況証明書
このうち③と④は会社が記入するものであり、申請者が会社に依頼して返送を待つ必要があります。協会けんぽでは、これらの書類がすべて揃ってからでないと申請が受理されません。
返送されない理由とよくあるケース
会社から書類が返送されない理由には、次のようなものがあります。
- 担当者が多忙で処理が後回しにされている
- 書類の記入方法がわからず放置されている
- 社内で回覧・承認のフローが滞っている
- 悪意ではなく単なる事務的な遅延
特に中小企業では、担当者が少なく、社内手続きに時間がかかることも少なくありません。
対応策1:まずは丁寧に再確認の連絡を
2週間以上音沙汰がない場合は、電話やメールで会社に確認するのが第一です。感情的にならず、「お忙しいところ恐縮ですが、書類の進捗をご確認いただけますでしょうか」と丁寧に依頼しましょう。
できればメールなど記録が残る手段で催促すると、今後の証拠にもなります。返信がない場合は、上司や人事総務に直接確認してみるのも一つの方法です。
対応策2:協会けんぽへ状況説明の相談を
会社側での対応が著しく遅れている場合は、協会けんぽに直接状況を説明することで、アドバイスをもらえるケースもあります。
場合によっては、会社への書類再送や注意喚起を協会けんぽが代行してくれるケースもあるため、放置せず積極的に相談してみましょう。
対応策3:傷病手当金の支給を早めたい場合の工夫
会社からの返送が遅れることで、支給までに時間がかかることもあります。書類を分割して提出する(例:1ヶ月分ずつ申請)ことで、早めの一部支給を受けることが可能です。
また、会社との書類のやり取りは簡易書留で行うことで、「送った」「届いていない」といったトラブルを防ぐことができます。
会社からの対応が難しい場合の最終手段
会社が非協力的、または対応不能な状況が続く場合、労働基準監督署や社会保険労務士に相談することも視野に入れてください。法的に会社は書類作成に協力する義務があります。
また、過去に同様のトラブルに見舞われた方が、会社の人事部門を通じて解決した実例もあるため、社内の他部署を通じた働きかけも有効です。
まとめ:まずは丁寧な確認と次の一手を準備
傷病手当金の申請において、会社の書類返送が遅れるケースは珍しくありません。まずは冷静に連絡し、それでも改善されない場合は、協会けんぽや公的機関に相談することでスムーズな解決につながる可能性があります。
支給が遅れると経済的にも不安が増すため、早めの行動と記録の保存が重要です。あきらめずに一歩ずつ手続きを進めましょう。
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