後期高齢者医療保険料が急に高額に?アパート売却や所得増加が影響する仕組みを解説

国民健康保険

高齢者の家計にとって、思わぬ負担になるのが後期高齢者医療保険料の増加です。「急に毎月9万円以上の請求が来た」「去年までと全然違う」という声も少なくありません。特に、不動産売却や一時的な収入増があると、想像以上に保険料が上がることがあります。この記事では、保険料が高額になる仕組みと、その背景をわかりやすく解説します。

後期高齢者医療保険料は前年の所得で決まる

後期高齢者医療制度の保険料は、前年の所得(住民税課税所得)を基に計算されます。年金収入だけで生活している場合は比較的保険料が安く抑えられますが、不動産や株の売却などで所得が一時的に増えると、翌年度の保険料が大きく跳ね上がる可能性があります。

具体的には、「所得割額」と呼ばれる部分が上昇し、これにより年間保険料が数十万円になるケースも珍しくありません。

アパートの売却が保険料に影響する仕組み

不動産を売却した場合、譲渡所得が発生します。この所得は確定申告を通じて税務署に報告され、市区町村へも通知されます。その結果、後期高齢者医療保険料の計算対象となる課税所得に反映されるのです。

例えば、アパートの売却益が100万円だった場合、その全額または一部が課税対象となり、保険料の「所得割額」が跳ね上がることになります。これが理由で、普段は月5,000円程度の保険料だった方でも、翌年度は月額9万円以上になる可能性があります。

確定申告と医療保険料の時差に注意

医療保険料は前年の所得に基づいて計算されるため、「去年アパートを売った→今年の保険料が高くなった」という流れになります。つまり、収入が増えた翌年度に請求額が上がるのが特徴です。

しかも、保険料は通常6月~翌年3月の10カ月分を均等に分けて請求されます。そのため、年額が100万円近くに設定されると、月額9万円以上になるという計算です。

一時的な所得増加による軽減措置の対象外

後期高齢者医療制度では、所得が低い人に対して「軽減措置」が設けられていますが、一時的でも課税所得が基準を超えると軽減の対象外になります。たとえ次年度に所得が元に戻っても、今年度の保険料は変更されません。

つまり、「アパート売却は一回だけだったから元に戻るはず」と思っていても、制度上すぐに保険料が下がるわけではないという点に注意が必要です。

高額な保険料を軽減する方法はある?

多くの自治体では、保険料に関して分割払いや減免申請の相談を受け付けています。急な支払いに困った場合は、後期高齢者医療広域連合のホームページまたはお住まいの自治体に相談しましょう。

また、今後に向けては、不動産や資産の売却を検討する際、税理士などに相談し、課税所得の影響や医療保険料への波及を事前に把握することも大切です。

まとめ:一時的な収入でも大幅な保険料増加に注意

アパート売却などで所得が増えた場合、翌年の後期高齢者医療保険料が大幅に増加する可能性があることを知っておくことが重要です。月額9万円という保険料も、特別なケースではなく十分起こり得る金額です。

驚くような請求が届いたら、まずは課税所得の変化を確認し、必要があれば自治体に分割払いや減免制度について相談してみましょう。

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