2024年から実施された定額減税制度により、多くの納税者に対して所得税・住民税の減税が行われています。しかし、実際には「給料から減税されなかった」「後から通知が来た」といったケースも見られます。今回は、定額減税が給与から適用されなかった理由や、育休や復職のタイミングが与える影響、今後の対応方法についてわかりやすく解説します。
定額減税とは?2024年の制度概要
2024年6月以降、政府は物価高騰の対策として所得税3万円・住民税1万円を対象者1人あたりに減税する措置を講じました。扶養家族も対象になるため、4人家族なら合計16万円が控除または給付の対象になります。
基本的には会社員は給与から「源泉徴収で自動的に定額減税される」形をとりますが、適用されない例外も存在します。
なぜ給料から減税されなかったのか?
給与天引きで定額減税が行われない理由には、以下のような要因があります。
- 減税開始月に給与が支給されていなかった(育休中、休職中など)
- 年末調整・月額変更届などが間に合っていない(会社側の処理の都合)
- 減税額より源泉徴収税額が少ないため差額が残った
今回のように「育休中で給与がなかった月」が存在する場合、6月からの減税が自動適用できず、税務署や自治体が“定額減税不足額給付金”として直接振込対応する仕組みになります。
育休明けの給与と減税タイミングの関係
2023年8月に出産・育児休業に入り、2024年7月まで休職していた場合、給与の支給が再開されたのは2024年8月からになります。減税がスタートした2024年6月の時点で給与がなければ、減税の適用対象として処理できなかったのです。
会社が年末調整で還付するわけではなく、行政が補足して「不足分を給付金として支給」するという対応になります。
定額減税不足額給付金の受取と申請手続き
不足額給付金は、税務署や地方自治体から通知が届き、申請不要で振込が行われるケースが多いですが、世帯の状況や所得状況により確認書類の提出を求められることもあります。
12万円の支給が決定した場合は、扶養対象者3人(配偶者+子供2人)と本人の合計4人分で計算されていると推測できます。金額は以下の計算です。
- 所得税:3万円 × 4人 = 12万円
- 住民税:1万円 × 4人 = 4万円(住民税は7月以降に控除)
今後の注意点と確認方法
会社員として働いている場合、勤務先の経理部門や人事に「定額減税の処理状況」を確認しておくと安心です。住民税の減税分についても7月以降の給与明細に記載されていることがあるため、確認しましょう。
また、扶養控除の申告が漏れていたり、会社側がマイナンバー連携処理を適切に行っていない場合には、減税額のミスや漏れが起こる可能性があります。必要に応じて税務署への問い合わせも視野に入れてください。
まとめ:育休期間や支給時期の違いで減税方法が変わる
定額減税は、あくまで給与支給が前提の制度であるため、育休や休職で給与がない期間があると直接的な減税処理が行えないことがあります。しかし、不足分は後から「給付金」として支給される仕組みがあるため、制度を理解していれば損をすることはありません。
給与明細や会社からの通知をこまめに確認し、不明点があれば会社の経理部門や自治体に相談して対応を進めていきましょう。
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