自動車保険を利用した後、保険等級がどれだけ下がるかは保険料に大きな影響を与えるため、多くの人が気になるポイントです。一般的には「3等級ダウン」が通説ですが、なぜか「4等級下がった」というケースも報告されています。本記事ではその原因と仕組み、注意すべきポイントについて詳しく解説します。
自動車保険の「等級」とは?
自動車保険における等級制度は、契約者の事故歴に応じて保険料が上下する制度です。1等級から始まり、最大20等級まであり、等級が高いほど割引率が高くなります。
新規契約者は6等級(自家用車の場合)からスタートし、事故がなければ1年ごとに1等級アップ。事故があるとダウンする仕組みです。
基本は「3等級ダウン」が原則
多くの場合、保険を使うと等級は3つ下がります。これを「事故有係数適用期間」と呼び、事故後3年間は割引率が下がった状態が続きます。
たとえば、8等級だった場合は5等級になり、かつ事故有係数が3年間適用されるため、保険料が上がります。
なぜ4等級ダウンすることがあるのか
実は「複数事故」や「短期間に複数回の保険使用」などのケースでは、3等級以上のダウンが発生する可能性があります。代表的な要因は以下のとおりです。
- 1契約期間内に2回以上保険を使った
- 前年も事故歴がある(既に事故有係数適用期間中)
- 補償内容の違いにより別カウントされた(例:車両保険と対人)
このような場合、等級が4つ以上下がることもあり、保険会社の内部ルールによって処理されることがあります。
等級の計算でよくある誤解
等級の「3等級ダウン」は事故1件ごとの処理ですが、契約期間中に複数回事故があるとその分ダウンが重なります。また、1事故でも契約者が誤って重複申請した場合などは、カウントが分かれることも。
実例として、「駐車場で車をこすった」「その翌週に飛び石でフロントガラスを交換した」など、別内容の請求が2件とカウントされ、合計4等級下がった事例もあります。
納得できない場合は等級証明書と事故証明の確認を
「説明が不明瞭だった」「3等級ダウンのはずがなぜか4等級」と疑問に感じた場合、まずは以下を確認してください。
- 等級別の割引率と現在の適用等級
- 事故件数と請求内容
- 保険会社からの事故対応通知書・損害査定書
また、「ノーカウント事故」や「等級据え置き事故」と呼ばれる免責条件の事故もあるため、事故の種類によって影響度が変わる可能性があります。
まとめ:納得いかない場合は詳細な説明を求めよう
自動車保険の等級は事故1件で原則3等級ダウンですが、複数事故や例外的な処理によって4等級以上下がるケースもあります。保険会社の対応に納得できない場合は、説明を求めると同時に、証拠書類や証明資料の開示請求も行うのが良いでしょう。
保険は複雑な仕組みですが、納得感を得るためには契約内容や事故処理内容をしっかり理解することが大切です。
コメント