成人した子どもの入院保険金は誰のもの?親が契約者でも振込先は変更できる?

生命保険

子どもが成人してからも親が保険料を払い続けているケースは少なくありません。特に医療保険では、子どもが入院した際に給付金が支払われますが、その振込先や使い道でトラブルになることも。この記事では「保険金は誰のものなのか」「振込口座は変更できるのか」など、実例を交えながら詳しく解説します。

保険金は誰のもの?契約者・被保険者・受取人の違い

保険契約には基本的に以下の3つの立場があります。

  • 契約者:保険料を支払う人(例:親)
  • 被保険者:保険の対象となる人(例:子ども)
  • 給付金受取人:保険金や給付金を受け取る人(原則として被保険者本人)

多くの医療保険では、入院給付金の受取人は「被保険者本人」と自動的に定められており、成人している場合はその本人の名義口座への振り込みが原則となります。

なぜ親の口座に振り込めないのか?

保険会社では、金融犯罪防止や個人情報保護の観点から、成人した被保険者の給付金は、本人名義の口座以外には原則振込不可としています。

これは被保険者が成人した時点で、親子であっても第三者とみなされるためです。たとえ親が保険料を支払い続けていたとしても、給付金はあくまで本人のものであるという取り扱いが基本となります。

実際のケース:保険金をめぐる親子間トラブル

たとえば以下のようなケースがあります。

「24歳の息子が精神科に入院。親が子ども時代から支払い続けていた医療保険から給付金が出たが、保険会社からは“本人名義口座以外NG”とされ、息子の口座に直接振り込み。息子は就活中だったが、給付金を全額自分の生活費に使ってしまった。親が一部返金を頼んでも応じてもらえなかった」

このように、親が善意で支払い続けていても、成人後の本人がそのお金をどう使うかに制限をかけることはできないのが現状です。

振込先を親の口座に変更できる可能性は?

一部の保険会社では、本人からの署名付きの委任状があれば、保険金を親の口座に振り込むことができる場合もあります。

ただし、精神的な入院などで判断能力に疑義がある場合には、保険会社側が慎重になり、本人確認や書類の精査に時間がかかることもあります。また、委任状であっても継続的な変更(将来の給付金も含めて常に親に振り込む)は基本的に認められていません。

今後の対策:親としてできる選択肢

給付金の使い道や管理について不安がある場合、以下のような方法を検討することができます。

  • 被保険者名義を親から子へ変更し、子ども自身に管理させる
  • 本人が困らない範囲で給付金の一部を取り決めておく(口約束ではなく文書化)
  • 親子で契約内容を共有し、支払いの意味や給付金の使い方を事前に話し合う

また、信頼関係に課題がある場合は、[参照]保険相談窓口や家計アドバイザーなど第三者の専門家に相談して、冷静な判断を仰ぐのも一つの手段です。

まとめ:保険給付金は原則「本人のもの」、親が口座管理するには慎重な手続きが必要

成人した子どもが入院し、親が契約者として支払い続けている保険であっても、給付金の受け取りは「本人名義口座」が原則です。親の口座に振り込むには、本人の委任や保険会社の個別判断が必要になるなど、柔軟性には限界があります。

信頼関係の中でお金の管理をどうするか、今後の契約をどう見直すかなど、親子で丁寧に話し合うことが何より重要です。

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