57歳で再出発する方へ:バイト勤務と厚生年金・健康保険の選び方とその違い

社会保険

定年を迎える前後で新たなライフステージを迎える方にとって、働き方だけでなく社会保険の扱い方も大切なポイントになります。今回は、57歳で会社を退職し、アルバイトとして働く際に「厚生年金や健康保険に加入できるのか?」という疑問について、わかりやすく解説します。

バイトでも厚生年金に加入できるのか?

結論から言えば、一定の条件を満たせば、アルバイトでも厚生年金に加入することができます。以下の要件をすべて満たす場合、勤務先は加入手続きをする義務があります。

  • 週の所定労働時間が20時間以上
  • 月額賃金が8.8万円以上(年収約106万円以上)
  • 勤務期間が2か月超見込み
  • 学生ではない
  • 従業員数101人以上の事業所(※2024年10月からは51人以上に拡大)

これらに該当すれば、勤務先を通じて厚生年金および健康保険に加入することになります。

厚生年金と国民年金の違い

退職後に厚生年金に加入しない場合、国民年金に個人で加入することになります。以下が主な違いです。

項目 厚生年金 国民年金
保険料 給与に応じて決定(折半) 定額(月額16,520円・2025年現在)
将来の年金額 報酬比例で手厚い 基礎年金のみ
保険料負担 会社と折半 全額自己負担

アルバイトでも厚生年金に加入できれば、国民年金よりも将来の年金受給額が増えるだけでなく、保険料の半分を会社が負担してくれるというメリットがあります。

健康保険と国民健康保険の違い

健康保険も同様に、勤務先での条件を満たすと「社会保険(健康保険+厚生年金)」として自動的に加入することになります。個人で加入する「国民健康保険」との主な違いは以下の通りです。

  • 保険料: 社会保険は給与ベースで算出され会社と折半、国保は所得と世帯人数で計算され全額自己負担
  • 扶養制度: 社会保険には「扶養家族制度」があるが、国保にはなし
  • 給付: 傷病手当金や出産手当金などの給付制度が社会保険にはある

収入が少ないと国保の保険料の方が安くなる場合もありますが、手厚い補償を求めるなら社会保険がおすすめです。

どちらを選ぶべきか?

厚生年金・社会保険に加入できるなら、原則としてそちらの方がメリットは大きくなります。特に以下に該当する方は厚生年金加入のメリットが高いです。

  • 老後の年金を少しでも増やしたい
  • 医療費や手当金のサポートを受けたい
  • 保険料を会社と折半したい

一方で、バイトの労働条件が週20時間未満、または小規模な事業所の場合は加入要件に満たず、国民年金・国保への加入が必要になります。

退職後の手続きの流れ

退職後、どこかに勤めて厚生年金等に加入しない限り、自分で次の手続きを行う必要があります。

  • 市区町村役場で国民年金の加入手続き
  • 同じく国民健康保険の加入手続き
  • または、バイト先で厚生年金加入が可能か確認

バイトを開始する前に勤務先に「社会保険加入対象になるか?」を確認しておくのがおすすめです。

まとめ:条件を満たせばバイトでも社会保険に加入可能

57歳での転職・再スタートにおいて、アルバイトでも一定条件を満たせば厚生年金・健康保険に加入可能です。年金や医療補償の面で手厚い社会保険を利用できるかどうかは、働き方によって決まります。

ご自身の就業条件や将来のライフプランを考慮しながら、加入制度を選択するようにしましょう。迷った場合は、市区町村の年金課や勤務先の人事担当に相談すると安心です。

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