三大疾病に対する備えは、医療保険を検討するうえで非常に重要です。特に”三大疾病無制限”という特約がある場合、その定義や保障内容の違いを理解しておくことで、将来の安心感が大きく変わります。今回は、がん・心疾患・脳血管疾患に関する保障内容を比較しながら、どちらの保険がより有利かを見ていきます。
三大疾病の定義は保険会社によって異なる
一口に「三大疾病」といっても、その定義は保険会社ごとに異なります。ある保険では「がん・心疾患・脳血管疾患」と広くカバーしているのに対し、別の保険では「がん(上皮内含む)・所定の急性心筋梗塞・所定の脳卒中」としており、対象が限定される傾向があります。
たとえば、前者の「心疾患」には狭心症や心不全なども含まれる可能性がありますが、後者の「所定の急性心筋梗塞」は診断基準が細かく、条件を満たさないと給付対象外になることもあります。
「上皮内新生物」も保障されるかは重要なポイント
がんのなかには「悪性新生物」と「上皮内新生物」があります。上皮内新生物は比較的初期段階のがんで、手術や治療が比較的軽度で済む場合もありますが、診断されるケースは多くなっています。
上皮内新生物を保障対象にしている保険(定義②)は、より幅広いがんに対応できます。反対に、これが含まれない保険(定義①)では、初期がんと診断されても給付金が出ない可能性があるため注意が必要です。
心疾患・脳血管疾患の定義も給付に影響
心疾患・脳血管疾患についても、保障される範囲に差があります。定義①では「心疾患・脳血管疾患」としているため、心不全や不整脈、くも膜下出血なども対象になる可能性があります。
一方、定義②の「所定の急性心筋梗塞・所定の脳卒中」は、発症から一定期間の後遺症や治療継続などの条件があり、実際の給付率が低くなることもあります。
入院日数無制限特約の価値をどう見るか
「三大疾病無制限特約」とは、がんや脳卒中などで長期入院した場合、通常の入院限度日数(60日や120日など)を超えても給付が継続される仕組みです。
実際には、がん治療でも長期入院が必要となるケースは減ってきていますが、脳梗塞などの後遺症治療では90日以上の入院が必要になることもあるため、日数無制限は大きなメリットです。
保険選びは「定義」と「条件の緩さ」を重視
今回の例でいえば、定義①(がん・心疾患・脳血管疾患)を採用している保険の方が、対象範囲が広く、給付の可能性も高くなる傾向があります。特に軽度の心疾患や初期の脳出血などでも保障される可能性が高いからです。
ただし、定義②が「上皮内新生物」を含んでいる場合、初期がんへの保障面で優れているとも言えます。ここはどの病気への不安が強いかによって選択の軸が変わります。
まとめ:自身のリスクと優先順位を考えて選ぶ
三大疾病無制限特約を選ぶ際は、単に「無制限だから安心」ではなく、その対象となる病気の定義や給付条件をよく確認することが重要です。
広く浅く備えたいなら定義①、初期がんや特定条件での重病に重点を置きたいなら定義②といったように、自分の生活や健康状態に応じた選択が望ましいです。最終的には保険会社に資料請求をして、具体的な事例や支払い実績なども確認しながら検討すると安心です。
コメント