転職を繰り返す中で「短期間で辞めた職場の情報を知られたくない」「年末調整にその収入を含めるべきか」と悩む方も少なくありません。この記事では、源泉徴収票を提出しないリスクや、確定申告による対応方法を詳しく解説します。
源泉徴収票の提出義務と実態
年末調整を受けるには、その年に他社で受け取った給与の合計を明らかにする必要があり、そのために前職の源泉徴収票の提出が求められます。しかし、これは法律上の義務ではなく、企業が正確な所得税計算を行うために求めるものです。
今回のように「わずか6回勤務で退職」し、雇用保険にも加入していない場合は、勤務歴が把握されにくく、源泉徴収票を提出せずに年末調整を進めることも可能といえます。
源泉徴収票を出さずに年末調整する方法
実務上は、短期の職場での源泉徴収票を提出せずに、新しい勤務先で年末調整を行い、未提出分は年明けに自身で確定申告するという対応も可能です。
この場合の注意点は以下の通りです。
- 前職の給与分も含めた年間所得に対して課税されるため、確定申告で精算が必要
- 住民税は前年所得に基づくため、短期勤務の収入も課税対象になる
- 確定申告を怠ると、追徴課税やペナルティの対象となる可能性も
確定申告をする際の手順
源泉徴収票を提出しなかった場合、年が明けた1月以降に自分で確定申告を行いましょう。以下が主な手順です。
- 6回勤務した前職から源泉徴収票を受け取る
- 国税庁のe-Taxや税務署窓口で申告書を作成
- 2社分の給与合計を申告して所得税を再計算
- 納めすぎていれば還付、不足なら追加納税
申告期間は通常2月中旬〜3月中旬ですが、還付申告は1月から可能です。
知られたくない理由があるときの配慮
「すぐ辞めたことを知られたくない」という思いは理解できます。新しい職場での信用関係を気にする方も多いでしょう。
その場合は、会社に嘘をつくのではなく、年末調整は受けずに確定申告で自分で処理するという形を取ることで、税務上の責任を果たしつつ、個人の事情を守ることができます。
短期勤務でも所得は記録に残る
短期の勤務でも、給与を受け取っていれば税務署に情報は報告されます。また、住民税にも影響します。
そのため、「いずれバレるのでは?」と不安になる場合は、確定申告でしっかりと対応することが最も安心できる方法です。
まとめ:提出しない選択も可能だが、確定申告は必須
短期の前職について源泉徴収票を新しい職場に提出しないことは可能ですが、その場合は年末調整ではなく確定申告で正しい納税処理を行うことが求められます。正しく処理すれば問題はありません。
「知られたくない」という事情がある方も、税務上の対応を怠らなければトラブルにはなりませんので、冷静に対応を進めていきましょう。
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