定期預金の金利が上昇傾向にある中、数年前に組んだ低金利の定期預金を解約して、より高い利率の定期預金へ預け替えるべきかどうか、迷う方も多いのではないでしょうか。今回は、年利0.35%の5年定期から0.85%の1年定期へ乗り換えるべきかどうかの判断ポイントを解説します。
預け替えを検討する理由:金利差がもたらす利息の違い
まずは、0.35%と0.85%の金利差がどの程度の利息差を生むか確認しておきましょう。
例:元本100万円の場合
・0.35%(5年満期):利息約17,500円(税引前)
・0.85%(1年満期×残り3年運用と仮定):利息約25,500円(単利、税引前)
差額は約8,000円程度となります。
中途解約のリスク:途中解約利率に要注意
預け替えをするには、現在の5年定期を途中解約する必要があります。このとき適用されるのは「中途解約利率」で、通常は約0.002%~0.03%とかなり低めです。仮に2年間運用して中途解約した場合の利息は非常に少額になるため、実質的に元本を目減りさせるリスクもあります。
現在の金融機関にて「中途解約利率」を必ず確認し、どの程度の利息がつくのか計算してから判断しましょう。
乗り換え先の金利は今後も続く?
0.85%の1年定期が今後も継続されるとは限りません。現在は一時的なキャンペーン金利や政策の影響による上昇である可能性もあります。
仮に来年以降、金利が0.4%以下に下がる場合は、単純に乗り換えてもメリットがなくなります。逆に今後も高水準が続けば、乗り換えで利益が出やすくなります。
実例で比較:乗り換えした人の声
ある60代の方は、2021年に預けた0.25%の定期を途中解約し、2024年の1年定期0.9%に預け替えをしました。解約利率で利息はほぼゼロでしたが、再運用後1年間の利息で既に元が取れたと話しています。
一方で、預け替え後すぐに金利が下がってしまったケースもあり、「もう少し様子を見ればよかった」と後悔している声もありました。
預け替え判断チェックリスト
- 現在の中途解約利率は確認済みか?
- 0.85%の定期が継続する根拠はあるか?(キャンペーンではないか)
- 今後しばらく資金を使う予定はないか?
- 利息額の差が手間に見合うか?
これらの条件をチェックし、自分にとって納得のいく選択をしましょう。
まとめ:乗り換え判断は金利と目的のバランスで
定期預金の預け替えは、単純な金利差だけでなく、中途解約の条件や今後の金利動向も加味する必要があります。たとえ今すぐの利益が見込めなくても、長期的に見て運用の自由度が増すこともメリットです。
迷った場合は、銀行窓口やファイナンシャルプランナーに相談し、試算をもとに判断することをおすすめします。
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