障害基礎年金とB型事業所の工賃で一人暮らしを目指す方にとって、毎月の生活費の見積もりと支出管理は非常に重要です。今回は、年金2級(月額約6万円)とB型事業所工賃(月4万円)で成り立つ生活設計と、見落としやすい支出を整理して解説します。
想定収入と支出のバランスを確認
まずは現在想定されている収支の内訳を整理しましょう。
収入項目 | 金額(円) |
---|---|
障害基礎年金(2級) | 60,000 |
B型事業所 工賃 | 40,000 |
合計収入 | 100,000 |
続いて支出項目の内訳です。
支出項目 | 金額(円) |
---|---|
家賃(市営住宅) | 30,000 |
食費 | 20,000 |
水道光熱費 | 15,000 |
雑費(日用品など) | 10,000 |
通信費(スマホ・ネット・サブスク) | 10,000 |
交通費 | 5,000 |
医療費 | 5,000 |
貯金 | 5,000 |
合計支出 | 100,000 |
現時点で収入と支出はバランスが取れており、基本的な生活は成り立つ設計です。
見落としやすいその他の出費
日常の中で予測しにくい突発的な支出が発生することもあります。以下のような費用はあらかじめ意識しておくことが大切です。
- 医療費の突発的な増加:精神科通院の交通費や薬の自己負担増など。
- 家電・家具の買い替え費用:冷蔵庫や洗濯機など、急な修理や買い替えに数万円かかることも。
- 災害時の備蓄品購入や避難支出:水、カセットコンロ、懐中電灯など。
- 交際費や冠婚葬祭:年に数回でも1〜2万円規模になる場合があります。
これらに備えるため、5,000円の貯金に加えて、少額でも「予備費」として月1,000円〜2,000円を分けて積立しておくのが理想です。
制度や支援の活用で生活を安定させる
収入が限られる場合は、制度や地域のサポートをフルに活用することで安心感が増します。
- 生活保護制度:家賃補助などの支援を受けられる場合があります。
- 精神障害者保健福祉手帳:公共交通機関の割引や福祉サービスの対象になることがあります。
- 医療費助成(自立支援医療制度):精神科の通院費が軽減される制度です。
- 地域包括支援センターや市役所福祉課での生活相談
特に、自立支援医療は医療費の負担を大きく減らす効果があるので、未申請であれば早めに申請することをおすすめします。
市営住宅での生活に備える工夫
市営住宅に入居予定であれば、生活に必要な初期費用を抑える工夫も有効です。
- 家具・家電をリユースショップで調達
- 無料掲示板(ジモティーなど)で譲り受ける
- フードバンクの活用:生活に困ったときの食品支援もあります。
また、市営住宅は家賃が年収によって調整されるため、B型事業所の工賃がある程度増えても、急激に家賃が高くなる心配は少ないです。
まとめ:綿密な計画と支援制度の併用で実現可能
障害基礎年金とB型事業所の工賃での一人暮らしは、工夫と支援制度の活用によって十分に実現可能です。現在の予算設計は非常に現実的ですが、突発的支出への備えと制度の併用を検討することで、より安定した生活が見込めます。
まずは地域の福祉窓口や就労支援センターに相談しながら、無理のない生活設計を続けていくことが大切です。
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