交通系ICカードのICOCA定期券と、住宅用カードキーであるトステム(LIXIL)のCAZASカード。この2枚を重ねてパスケースに入れても問題ないのか、不安に思う方は少なくありません。本記事では、それぞれの仕組みの違いや干渉のリスク、安心して使うための対処法について詳しく解説します。
ICOCAとCAZASカード、それぞれの仕組みとは?
ICOCA:JR西日本が発行する交通系ICカードで、FeliCa(ソニー製)という非接触通信技術を使用しています。改札にタッチして認証・課金される仕組みです。
CAZAS(カザス):LIXIL(旧トステム)の住宅向けカードキー。こちらもFeliCa技術を応用した非接触型ですが、セキュリティ用途に最適化された認証システムを搭載しています。
重ねて保管するとどうなるのか?干渉やエラーの可能性
両者ともFeliCaを採用しているため、通信周波数は同じ13.56MHz帯です。そのため同時に読み取りエリアに入ると、通信の干渉が起こるリスクがあります。
特に以下のような状況ではエラーが起きやすくなります。
- 2枚のカードをぴったりと重ねて使用し、リーダーにタッチした場合
- 改札や鍵リーダーが「複数枚同時検出」をサポートしていない場合
ただし、重ねて“持ち歩く”だけで磁気やICチップが故障することはほとんどありません。問題は「同時に使う」ことです。
対処法①:使用時にはカードを1枚ずつかざす
もっとも確実な対策は、使用時に使いたいカードだけをリーダーにかざすことです。以下の方法が有効です。
- ICOCAを出し、改札通過後にCAZASカードを鍵として使う
- CAZASキー側はリーダーにかざすときだけ取り出す
- 読み取り面を使うときだけ明確に分ける
このように使用時の意識的な分離だけで、ほとんどのエラーを防げます。
対処法②:パスケースで物理的に区画を分ける
パスケースを使う場合は、非接触通信を遮断するシールド付きスロットを使うと便利です。
たとえば以下のような製品があります。
- 電波遮断素材(アルミニウムシート内蔵)パスケース
- 外側と内側で通信を分けられる二重構造ケース
これにより、「使いたいカードだけ読み取る」ことが可能になります。
磁気カードとICカードの違いにも注意
なお、CAZASもICOCAも「ICカード」ですが、クレジットカードなどの磁気ストライプ式カードと違って、磁気干渉ではなく、通信干渉が問題になります。
したがって、磁石やスマホスピーカーに近づけることによる劣化リスクは少ないですが、通信が混線するような状態は避けるべきです。
まとめ
ICOCA定期券とトステムのCAZASカードは、いずれもFeliCa方式を採用しているため、重ねてリーダーにかざすと通信干渉によりエラーが生じる可能性があります。
しかし、保管時に重ねていても故障や磁気異常が起こる心配は基本的にありません。使用時には1枚ずつ取り出す、シールドケースを使うなどの工夫で、安全に併用できます。
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