老後を迎えるにあたり、「年間手取り270万円で生活していけるのか?」という不安は多くのご家庭で共通しています。特に、地方に住み、持ち家がありローンがないという条件が揃っている場合、生活コストは大きく異なります。本記事では、63歳の夫と50歳の妻の二人世帯をモデルに、年間270万円の手取りで実際に生活可能かどうかを具体的に検証していきます。
物価が安い地域+持ち家=支出を抑える大きな武器
物価が全国的に低い地域(例:秋田県、鳥取県など)では、特に食費や日用品、外食費などの生活費が都市部と比べて大幅に安く抑えられます。さらに、住宅ローンが完済されている「持ち家」の状態は、固定費を大きく下げる要素です。
賃貸暮らしでは月5〜7万円前後の家賃が発生しますが、持ち家であれば固定資産税と光熱費程度で済みます。たとえば固定資産税が年間6万円程度だとしても、月にしてわずか5,000円程度です。
年間支出の想定内訳
以下は、持ち家・地方在住・夫婦二人暮らしの平均的な支出モデルです(年間ベース)。
項目 | 年間支出 |
---|---|
食費 | 600,000円 |
光熱費 | 180,000円 |
通信費(スマホ・ネット) | 100,000円 |
医療費 | 100,000円 |
車両維持費(1台想定) | 200,000円 |
固定資産税 | 60,000円 |
保険料 | 100,000円 |
交際費・雑費・娯楽 | 300,000円 |
合計 | 1,640,000円 |
このように、地方かつローンなしという条件であれば、年間約160万円〜180万円の支出に抑えることも十分可能です。
残りの金額は貯蓄や不測の出費に充当
手取り270万円から支出約170万円を差し引くと、年間100万円程度が残ります。これは貯蓄、旅行、家電の買い替え、突発的な医療費といった用途に充てることができ、生活に余裕をもたらします。
特にこれから公的年金の受給が始まる63歳の夫の場合、年金の受給額(国民年金+厚生年金)と生活費のバランスを確認することも重要です。
医療費・介護費への備えも必要
50代からは健康面での変化も出始める時期。高額療養費制度や市町村の医療費助成制度を活用すれば、負担を抑えつつ医療を受けることが可能です。また、介護保険制度の活用方法も今のうちから知っておくと安心です。
例えば、訪問介護やデイサービスは所得に応じて1〜3割の負担で利用可能であり、一定の支出で生活を維持することができます。
生活水準の「見直し」も老後生活のカギ
老後の生活費は収入に合わせて「最適化」することで、無理のない生活が可能になります。地方の強みである野菜の自家栽培やフリーマーケットなどを活用する家庭も多く、節約しながらも豊かな時間を持つ工夫がなされています。
例えば、ガス契約の見直し、格安SIMの活用、電力会社の切り替えなどを通じて月額のコストを2〜3万円下げることが可能です。
まとめ:手取り270万円でも十分生活可能
地方在住・持ち家・ローンなしという条件下では、年間手取り270万円でも充分に安定した生活は可能です。特に支出の最適化とライフプランの見直しを行えば、心に余裕を持った老後生活を送ることができます。
今後、年金受給や退職金などの資金が加わることを見越し、今の時点から家計を整えることが大切です。老後資金に不安がある方は、一度ファイナンシャルプランナーなどの専門家への無料相談を検討するのも良いでしょう。
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