社会保険労務士と契約する会社の保険加入状況とパートの社会保険適用の実態とは?

社会保険

企業の雇用形態や福利厚生制度の透明性は、働く人々にとって非常に重要なポイントです。とくに社会保険への加入に関するルールや実態は、正社員とパートで異なることがあり、不公平感を抱く方も少なくありません。今回は、社会保険労務士と顧問契約を結ぶ企業の特徴や、パート従業員の社会保険適用の可否について詳しく解説していきます。

社会保険労務士と契約している企業は社会保険に加入している?

社会保険労務士(社労士)と顧問契約している企業は、労務管理や法令順守への意識が高い傾向があります。とくに従業員数が一定以上いる企業では、労働・社会保険手続きの煩雑さから、社労士と顧問契約を結ぶことが一般的です。

そのため、顧問社労士がいる企業の多くは、法定通りに社会保険(健康保険・厚生年金)へ加入している可能性が高いと考えられます。ただし、顧問契約があるからといって100%社会保険完備という保証にはなりません。実際の加入状況は事業所の規模や業種、雇用実態によっても左右されます。

パートでも社会保険に入れる?正社員との違いは?

社会保険の加入義務は「労働時間と日数」によって判断されます。基本的に、以下の2つを満たす場合は、パートやアルバイトであっても社会保険への加入義務が生じます。

  • 所定労働時間が週30時間以上(正社員の4分の3以上)
  • または週20時間以上・月額賃金8.8万円以上などの条件を満たす場合(2022年10月以降の短時間労働者対象拡大)

つまり、フルタイムで働いていて要件を満たしているにもかかわらず「パートだから社会保険に加入できない」ということは、制度上はあり得ません。その場合は、事業主側に改善義務がある可能性もあります。

求人票に「社会保険完備」がないのはなぜ?

求人票に「社会保険完備」と明記されていない場合、以下のような理由が考えられます。

  • 勤務条件が社会保険の加入基準を満たしていない
  • 実際には加入できるが、企業が明記していない(または周知不足)
  • グレーな運用により社会保険を意図的に回避している

明記がないからといって必ずしも加入できないとは限らないため、面接時や雇用契約締結前に確認することが重要です。特にフルタイム勤務が前提のパート求人であれば、加入資格があるかの確認は必須です。

実例:正社員と同じ働き方をするパートのケース

たとえば、週5日・1日8時間勤務(40時間/週)のパートAさんは、業務内容も正社員とほぼ同じ。企業が500人以上であれば、短時間労働者への社会保険適用拡大の対象となり、Aさんも社会保険加入が必要になります。

にもかかわらず「パートだから社会保険はない」と言われた場合は、労働基準監督署や年金事務所に相談して適切な対応を求めることができます。

まとめ:社労士の有無より「制度の理解」が鍵

社会保険労務士と契約している企業は、一定の労務管理水準を保っている可能性が高いものの、それが必ずしも従業員全員の社会保険加入に直結するとは限りません。一方、フルタイムのパートでも要件を満たせば社会保険に加入できます。

求人情報の文言だけで判断せず、実際の勤務時間・労働日数・月収などで判断することが大切です。気になる場合は、遠慮せず企業に直接確認を取り、納得できる形で雇用契約を結びましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました