精神疾患で障害年金を受給している方にとって、「働いて収入を得ること」が年金の継続受給にどう影響するのかは非常に気になるところです。特に所得制限や働くことで支給停止になるのではと不安に感じている方も多いでしょう。本記事では、障害年金と就労の関係について、わかりやすく丁寧に解説していきます。
障害年金には「所得制限」があるのか?
まず知っておきたいのは、障害年金には「所得制限」という概念は基本的にありません。収入の多寡だけで年金が打ち切られることはありません。
ただし、働くことによって「障害の程度が軽くなった」と判断されると、更新時に「支給停止」や「等級の変更」が起こる可能性があります。つまり、働ける=障害が軽快しているとみなされる点が重要なのです。
等級ごとの就労影響:2級と3級では異なる
障害基礎年金(2級)と障害厚生年金(3級)では、就労に対する影響の考え方が異なります。
- 障害基礎年金(2級):日常生活能力が重視されるため、就労状況も加味されやすい。
- 障害厚生年金(3級):労働能力の喪失が焦点となるため、就労があると等級不該当となりやすい。
例として、3級を受給中にフルタイムで働き出した場合、「就労可能」と判断され支給停止のリスクが高まります。
「働く=即支給停止」ではない!
就労が即時に年金停止に直結するわけではありません。特に以下のようなケースでは、年金と就労を両立している方も多くいます。
- 週2~3回、短時間のパート勤務
- 在宅ワークで体調に合わせた働き方
- 就労移行支援やB型作業所など福祉制度を活用した就労
ポイントは「就労が症状にどれほど影響しているか」であり、継続的に安定して働いているかどうかも判断基準になります。
精神障害と就労に関する実例
うつ病で2級を受給中のAさんは、体調が良いときに月5万円程度の在宅ワークをしています。主治医と相談しながら無理のない範囲で継続しており、更新時にも就労の影響を説明することで年金の支給は継続されています。
一方で、3級を受給していたBさんは就労先で正社員登用され、1日8時間勤務を続けたところ、更新時に等級不該当となった例もあります。
主治医との連携と診断書がカギ
年金更新時には医師の診断書が最も重視されます。就労している場合は、主治医に勤務内容・頻度・体調への影響などを具体的に説明し、診断書に反映してもらうことが重要です。
主治医との認識がズレていると「症状軽快」と誤解され、支給停止のリスクが高まります。
まとめ:働くことを恐れず、無理のない就労で自立を目指そう
精神疾患で障害年金を受給している場合でも、働いて収入を得ること自体が問題となるわけではありません。大切なのは、症状に合った無理のない働き方を選び、医師との連携を密にすることです。
無理に就労を避ける必要はなく、年金と仕事をバランスよく活用することで、より豊かな生活を目指すことができます。
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