マイナ保険証と高額療養費制度:限度額認定証は不要?転院時の扱いも解説

国民健康保険

2022年から本格的に導入が進んでいる「マイナ保険証」は、健康保険証との一体化を目的とした新制度です。このマイナ保険証を利用して入院する場合、高額療養費制度の限度額適用認定証が不要になるという話を耳にした方も多いかと思います。しかし実際には注意が必要なケースもあります。本記事では、マイナ保険証を利用した場合の限度額認定の扱いや、入院中の転院における支払いの取り扱いについて詳しく解説します。

高額療養費制度とは?限度額適用認定証の役割

高額療養費制度とは、1か月の医療費が高額になった際、自己負担限度額を超えた分を健康保険が負担してくれる制度です。これにより、経済的な負担を軽減できます。

この制度を事前に適用するには、「限度額適用認定証」を保険者に申請し、医療機関の窓口に提示することで、最初から自己負担限度額までの支払いで済むようになります。

マイナ保険証を使えば限度額認定証は本当に不要?

原則として、マイナ保険証を医療機関で使用し、「限度額情報の提供に同意している場合」に限り、限度額適用認定証の提示は不要です。マイナポータルなどで事前に情報提供の同意を済ませていれば、医療機関側がマイナ保険証から限度額情報を確認し、適切な自己負担額が適用されます。

ただし、一部の病院や診療所ではマイナ保険証の読み取りに対応していなかったり、情報が正しく反映されていない場合もあるため、事前に確認することが重要です。

転院した場合、限度額はリセットされるのか?

同じ月内に複数の医療機関(病院)を利用した場合、それぞれの医療機関ごとに自己負担限度額が適用されます。これは限度額認定証を使用した場合も、マイナ保険証を使った場合も同様です。

たとえば、月の前半にA病院で入院、後半にB病院へ転院した場合、それぞれの病院で「限度額いっぱいまで」の支払いが必要になるケースがあるため、合算はされません

複数の病院にかかったときの対策とは

高額療養費制度には「世帯合算制度」や「多数該当制度」などもあります。たとえば、同一世帯で複数人が高額な医療費を支払った場合や、同一人が過去12か月に3回以上限度額を超える支払いをした場合は、次回から限度額が下がる仕組みがあります。

これらの制度を活用するためには、一度立て替えて支払ったうえで、後日健康保険組合へ申請する必要があるため、領収書や診療明細はしっかりと保管しておきましょう。

万が一に備えて確認すべきこと

  • マイナポータルで「限度額情報の提供」に同意しているか確認
  • 転院先の病院がマイナ保険証に対応しているか事前に確認
  • 制度上は自己負担が分割される可能性があると理解しておく

また、病院によってはマイナ保険証の読み取りができても、限度額情報がリアルタイムで反映されないケースもあります。その場合、事前に紙の認定証も準備しておくと安心です。

まとめ:マイナ保険証でも限度額は病院ごとに適用される

マイナ保険証を利用すれば、原則として限度額認定証は不要になりますが、複数の病院にかかった場合はそれぞれで限度額が適用されるため、予想以上に自己負担額が増える可能性があります。事前の情報確認と、必要に応じて認定証の取得を検討することが大切です。

高額医療費制度をうまく活用するためには、マイナ保険証だけに頼らず、制度の仕組みを正しく理解することが重要です。

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