就職が決まり、国民健康保険から会社の社会保険へ切り替える際、「どのタイミングで切り替えるのが損しないか」は気になるポイントです。特に月の途中入社や事前の手続き方法について正しく理解しておくことが重要です。
◆国民健康保険と社会保険の違いを知ろう
まず基本として、国民健康保険は自営業者や無職の方が加入する保険制度で、市区町村が運営しています。一方で、社会保険(健康保険)は会社に雇用された人が原則加入し、企業と従業員が保険料を折半して支払います。
そのため、就職したタイミングで社会保険の資格が発生すれば、原則として国民健康保険を脱退する必要があります。
◆月途中で入社する場合の注意点
社会保険料は、資格取得日(=入社日)から発生しますが、その月の保険料は1ヶ月分まるまる発生します。つまり、7月20日に入社した場合でも、7月1日からの保険料が給与から控除されることが多いです。
一方で国民健康保険料は月割計算が基本のため、月途中で社会保険に加入すると二重払いのように感じるケースがありますが、差額は日割りで調整される可能性があります。
◆具体的な損得の比較例
例えば、7月20日に入社した場合。
- 7月分の社会保険料 → 1ヶ月分まるごと給与から控除
- 国民健康保険料 → 7月20日以前までの期間分が必要(※市区町村により日割または月割)
一方、8月1日入社の場合は、社会保険料も8月分から発生し、7月は国民健康保険のみ納付する形になり、ダブル負担感は避けられます。
◆国民健康保険のやめ方(脱退手続き)
社会保険に加入したら、14日以内にお住まいの市区町村役所へ「国民健康保険資格喪失届」の提出が必要です。
手続きに必要なものは以下です。
- 会社から発行される「健康保険被保険者証」
- 国民健康保険証
- 本人確認書類(運転免許証など)
郵送対応も可能な自治体もあるので、各自治体のホームページを確認すると安心です。
◆途中入社か月初入社か、どちらが良い?
保険料だけで比較すれば、月初(8月1日など)の入社の方が合理的ですが、会社側の都合やご自身の生活状況によって判断しましょう。
早めに入社することで収入が早く得られるというメリットもあります。保険料負担の増減よりも、全体の生活設計や長期的な収入安定を重視することが大切です。
◆社会保険加入後にやるべきこと
会社から社会保険証が発行されたら、以下のような対応を忘れず行いましょう。
- 国民健康保険の脱退届提出
- 病院での保険証切り替え(旧保険証は使えません)
- 会社からの控除額確認
これらの手続きを行うことで、スムーズに新しい保険制度に切り替えることができます。
まとめ
就職によって社会保険へ切り替える場合、月途中の入社は保険料のダブル負担感があるものの、実質的に損とは限りません。大切なのは、保険の仕組みを理解し、必要な手続きを漏れなく行うことです。
不明点がある場合は、お住まいの役所の窓口だけでなく、協会けんぽや職場の総務担当者にも相談してみましょう。
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