近年、車の保険には『身の回り品補償特約』というオプションが付帯されることが多くなってきました。これは外出先でスマホや眼鏡、バッグなどが破損・盗難に遭った際に補償を受けられる特約です。しかし、契約後に事故日をごまかして請求するのは保険詐欺に該当する可能性があり、非常に注意が必要です。本記事では、補償の仕組みから正しい利用法、やってはいけない行為までを解説します。
『身の回り品補償特約』とは何か
自動車保険の中には、車両以外の個人の所有物(携帯電話、カメラ、パソコン、衣類など)をカバーする特約があります。たとえば、車内に置いていたスマートフォンを落として壊した場合や、駐車中に車上荒らしに遭った際に盗難被害を受けた物が補償対象となるケースもあります。
補償金額は保険会社ごとに異なりますが、1事故あたり10万円程度まで、自己負担(免責金額)5,000〜10,000円という設定が多いです。
補償を受けられる条件とその範囲
この特約で補償されるのは「契約者が自動車の使用中に被った偶然な事故」によって損害が発生した物品です。
補償対象例:
- 外出先でスマホを落として破損
- 車内に置いていたカバンの盗難
- 買い物帰りに荷物が壊れた
補償対象外例:
- 過失で壊した(意図的に落とした)
- 家の中での破損
- 保険契約発効前の事故
保険契約後の後付け請求は通用するのか?
契約後に事故日を偽って申告するのはNGです。これは明確な保険契約違反にあたり、発覚すれば保険金不払いや契約解除、場合によっては詐欺罪で告発される可能性もあります。
保険会社は保険金の請求にあたり、事故発生日の特定、修理見積書、診断書、物品の状況写真、場合によっては領収書・購入履歴まで確認を行うため、虚偽の申告は極めてリスクが高い行為です。
正しい活用のためのポイント
万が一の破損や盗難のリスクに備えたい場合は、あらかじめ特約をつけておくことが重要です。思い立った時点で保険会社に相談し、補償範囲と免責額を明確にして契約しましょう。
また、次のようなことをしておくと、いざという時にスムーズです。
- スマホや高額品は購入時のレシート・保証書を保管
- 事故発生時は現場の写真・状況説明をメモ
- 損傷箇所がわかる写真を撮る
- 保険会社にできるだけ早く連絡する
実例:スマホ破損で補償を受けられたケース
ある契約者が車内で落としてスマホ画面が割れてしまい、契約中の身の回り品特約で9万円の修理費のうち8万円まで補償されたという事例があります。
この方は事前に特約をつけていたこと、破損直後に事故報告をしたこと、修理見積書と領収書を揃えたことがスムーズな保険金支払いにつながったとのことです。
まとめ:誠実な保険利用が信用と補償を守る
身の回り品補償特約は非常に便利な制度ですが、後から特約をつけて事故日をごまかすといった行為は重大な契約違反です。適切に保険を利用することで、思わぬトラブルでも安心を得ることができます。補償のある生活は、正しい使い方から。
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