遊戯王カードやポケモンカード(ポケカ)など、トレーディングカードの売買は近年副収入源として注目されていますが、気になるのが税金や確定申告の問題です。特に無職や給与所得がない人が売却した場合にも申告が必要かどうかは、混乱しやすいポイントです。本記事では、トレカ売却益と確定申告について、法律の観点からわかりやすく解説します。
トレカ売却益の課税対象は「譲渡所得」
トレーディングカードを個人が売却して利益が出た場合、その所得は「譲渡所得」に分類されます。具体的には、以下のような計算式で所得金額を算出します。
譲渡所得 = 売却額 − 購入額 − 経費 − 特別控除(最高50万円)
この譲渡所得が一定額を超えると、申告義務が生じます。給与所得者かどうかにかかわらず、税法上のルールに従って処理する必要があります。
給与所得がない人の基礎控除と申告義務
無職で他に収入がない人の場合、所得税の基礎控除48万円が適用されます。つまり、トレカの売却益のみで年間48万円以下の所得であれば、原則として所得税の申告義務はありません。
ただし、自治体によっては住民税の申告が必要な場合があります。たとえ税額がゼロでも、収入状況を把握するための「住民税申告」が求められることがあります。
トレカ売買が事業的規模になると「雑所得」に
カード売買の回数や規模が大きくなり、継続的な収入を得ている場合は「譲渡所得」ではなく「雑所得」や「事業所得」として扱われる可能性もあります。
たとえば、以下のような場合は注意が必要です。
- 月に数十回以上売買している
- 仕入れて転売する行為を常態化している
- 明確に利益を狙って活動している
このようなケースでは、売上が20万円以下であっても申告義務が生じる可能性があるため、税理士など専門家に確認しましょう。
給与所得者との違い:申告が必要となるライン
給与所得者には「20万円ルール」があります。これは、給与所得以外の所得が年間20万円を超えた場合に確定申告が必要という制度です。
一方で、無職など給与所得がない人にはこのルールは適用されず、「基礎控除48万円」を超えるかどうかが判断基準になります。よって、年間売却益が20万円でも、それが所得全体のすべてであり他の所得がなければ申告は不要となるケースもあります。
実例:年間20万円のポケカ売却益がある場合
無職の方がポケカを20万円で売却し、購入費用が5万円だった場合。
譲渡所得 = 20万円 − 5万円 − 経費(例:送料など)
この結果、所得が48万円未満であれば確定申告は不要。ただし、翌年の住民税に影響する可能性があるため、自治体への申告確認をおすすめします。
まとめ:状況に応じた正しい判断を
トレーディングカードの売却益が一定額を超える場合、給与所得があるかどうかによって申告義務のラインが変わります。給与がない場合でも、基礎控除48万円を超えると申告が必要になります。
トレカ売買で得た利益がある場合は、売却益・仕入原価・経費を正確に記録し、申告義務があるかどうかを自身の状況に照らして判断しましょう。不安がある場合は税務署や税理士に相談するのが確実です。
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